15話:不死の終わり

不死の終わり1

 天界で情報収集しに行って帰ってから数日、冥界から新たな資料が届いた、

「ついでに、私も来たよ」

 先生が持って来ました。

「なんでわざわざ先生が持ってくるんですか」

「それはだね、送られてきた資料から組み上げられた作戦に、死の神の原初である私の力が必要だからなんだよ」

「死の神?それも、原初神族?え、原初神族ってリベル以外はみんな死んだって、え?先生が原初神族ってどういう?」

 意味が分かりませんよ?

「私は、原初神族として死んだ後、死神になったのさ。これも、全ての原初神族を殺すためだったんだけど、見失っていた最後の一人がまさか、死神組織が持てあます最悪の不死者リベルだったとはね、気づかなかったよ、まったく」

 そういえば、リベルティが言っていた死の神の名前は確か「モルス」、そして先生の名前も「モルス」。全く気づきませんでしたね。

「で、リベルを殺すのに死の神の先生の力が必要ってどういう意味です?」

「もう、面倒だし、死の概念そのものを修正してしまおうかなぁ?って六番目の私は思ったみたいでね?でも、上位神族ですらない六番目の子では直接概念を書き換えるとかの大規模な神力の行使はまだできないから、死神として活動してはいるけど一応は原初神族である私に頼んできたというわけさ」

 なるほど、死神組織も本気でリベルを殺す気になったようですね。今までのように監視役を送って殺せたらラッキーみたいな態度を改めたようです。

「それで、実際にはどういう方法なんですか?」

「私が、死の概念を今の「肉体から魂が完全に切り離されている状態」に「死神の鎌で斬られた後であれば、魂と肉体の状態は問わない」というのを追加で定義する。実際にはもっと複雑に定義されているのだけど、簡単に言えばそういう感じね」

「はぁ、でも概念を書き換えるって大丈夫なんですか?」

「大丈夫になるように文言を選んだから大丈夫よ。本来、死神の鎌で斬られるのは肉体と魂がきちんと乖離できなかった肉体的には死んでる死に損ないの魂を回収するための物なんだから、何にも問題ないよ。そして、死んでいるという状態ならば、肉体があっても冥界で強制的に転生させることもできるしね」

「はぁ、神族の世界はよくわからないですけど、そういうものなんですね」

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