不死の終わり2

 理屈はなんとなくわかったので、そろそろ実践しましょう。

 既に概念の書き換えとやらは終わっているようなので、リベルを死神の鎌でさっくりやっちゃうだけでいいらしいです。その役目は現在のリベル担当である私の役目ですね。そういえば、今まで一回も死神の鎌でリベルを斬ったことはなかったですね。最初に殴り倒したりはしましたけど。

 リベルを呼び出す為に、村を探し回り畑からリベルがにょきにょきと生えてく来るところに遭遇した。そこで、最初に言おうと思っていたセリフは村長さんに間違えて言ってしまったことを思い出す。今更言うのは少し恥ずかしいですが、一応言っておきましょう。一生懸命考えたんだし。

「リベル、永遠の終わりを迎える覚悟はいいですか」

「そんなもの、とっくの昔からできていたさ。で、今日はどんな殺し方をしてくれるんだい?わざわざそんなことを言うぐらいだし、今日の殺し方はとても自信があるんだろう?」

「今日は、死神の鎌で斬る。それだけですよ」

 そう、それさえすればリベルは死んで、あとは無理矢理に転生させるだけだ。

 私は、両手で構えた死神の鎌を振りかぶる。今更リベルを殺すことに躊躇いなどない。最初から今まで、絶対に殺すというつもりで殺してきたのだ。確実に死ぬとわかっている、今回も同じように躊躇いなく、鎌を振り下ろし、鎌の刃はリベルの体をするりと抵抗なく抜ける。不死特性で無効化されたわけではない、そもそも、死神の鎌は肉体的ダメージを与える道具ではない。刃が体を抜けた対象の魂が肉体から切り離されるという道具である。そして、今の死の概念上、これでリベルは死んだということになったわけだ。

「なんともないんだけど」

「いえ、これでリベルは死にました。少なくとも今の世界ではそういうことになっているらしいですよ」

「死ぬってそういうものだっけ?」

「さっきから変わったんですよ。さ、冥界に行きますよ」

 先生が冥界行の馬車を呼んでいるはずなので、家の前まで行く。

「ちゃんとリベルは殺せたかい?」

「死神の鎌でさっくりとやってきましたよ、これでリベルをそのまま冥界に連れて行って転生させてしまえば、もうリベルは復活できない、ですよね?」

「その通り、じゃあ行くよ」

「え、なんでモルスがいるんだ?君は死んだはずじゃなかったのか?」

「そんなことはどうでもいいだろう?喜びな、あんたはもう死んだんだ。このまま冥界に行って魂を分解してやるから」

「そ、そうだね。じゃあ行こうか」

 リベルはまだ戸惑っているようだったが、三人揃って馬車に乗る。そして、このまま冥界に行けば、私の初だった不死者狩りの仕事は終わる。

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