不死8
「何やってるんですか?トラト」
「いやーな?嬢ちゃんが来たって聞いたからな、雰囲気出して準備しとったんやけどな?全然驚いてくれんでうち、ちょっち寂しいなぁってな?」
ここに来る前にいろいろありましたからね。あと、椅子に沈むこみすぎて椅子が喋ってるみたいになってますよ。
「マフィアのボスって感じを出したかったんやけどなぁ」
「ああ、これ、そういう感じのセットなんですね。ていうか、外の街は何なんですか?人とか住んでるんです?」
「だーれも住んどらんで?あれもうちの趣味やなぁ」
なんでも、神族の城周辺は神族の趣味によって景色が変わるんだとか。リベルの図書館の周辺が森なのもリベルの趣味らしい。
「リベルの図書館からここに来るまでに変な白い空間を通ってきたのは?」
「近くに城がないところはそんな感じになっとるんやで、誰も世界を作っとらんからなぁ、なーんにもないところになってまうんやな、心配せんでも、そこ歩けるっておもぉたら歩けるでな?」
それでも怖いものは怖いですけどね。
「そうそうそんなことより、こちらのアクシーさんの契約のことで相談なんですけど。」
「リベルとの契約が解除できんくて困ってる子やね?」
「知り合い?」
「いんや?うちはこれでも契約の神やからなぁ、契約に関しては全知ってやつや、んで、用ってのはそのリベルとの契約を完全に破棄したいって話やな?ええで」
「いいんですか?」
「ええんやで、うちもそうやけど、大体の神族は直接天界まで来た奴のお願いは断らんのやないかなぁ、あんまり突飛なのは無理やけどな?」
「神族って太っ腹ですね」胸はないけど、と続けそうになるのはこらえる。
「じゃあ早速、私とリベルの契約を解除してくれる?」
「よーしやったろか、じゃあまず、契約書あるやろ。出してみ?」
「この契約書、破約の書とか使っても完全には消えなかったんですが、大丈夫ですか?」
「破約の書なんてまだ使えるんか?アレも相当古いし、あんなんは、うちら契約の神の力の一部で作ったもんやから、うちの力ならこの程度の契約余裕やでな?うーん?契約書に不懐属性がついてるんか?面倒やなぁ、これやったらこうして、こうやな?よいしょっと」
何をやっているかはよく見えないですけど、苦戦しているようには見えないので、すぐに終わるんでしょう。
「よーし、これでこの契約は完全消滅、契約書にはまた文面が浮かび上がってくるかもしれんけど、それは無効やから、なーんも問題ないでな?」
どうやら何とかなったようです。
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