不死3

 リベルが沢山の本を持って戻ってきました。数体のゴーレムも後ろに本を持ってついてきています。

「とりあえず、僕の不死特性をまとめた本と、他は探せただけの不死特性に関する書物だね」

 一冊の小冊子とその他の本に分ける。不死に関する文献は形式は様々、ボロボロの羊皮紙を麻紐で綴じているだけの物や、分厚い装丁で紙の質も最上級なものまで様々です。

「これとか、どうやって開くんですか」

 重い錠前を掛けてあり開けなさそうな分厚い本もある。ていうかでかい。

「鍵がセットになっているだろう。でも、そういう本は結構危険な物が多いから気を付けた方がいい」

「え?」

 私の手には鍵が握られ、その鍵は鍵穴に差し込まれてゴトリと見た目に相応しい音を立てた後だった。

「ちょっと、そういうことは早くいって下さいよ!」

慌てて離れる。本を放り出してしまったが、地面に落ちる前にゴーレムが腕を伸ばして受け取る。ゴーレムが受け取った本はペペペペと勝手に開き、ページが捲られていく。何か封印が解かれたとかそういう雰囲気です。やばそうです。

「危険な本もたくさんあるから、適当に開かないように」

 リベルが勝手に開いた本を閉じる。どうやら不死を餌にして開いた者を食べてしまう、魔導書に擬態した魔物を封印した本らしい。中央に魔物本体である本を挟むような形にして。数十枚の結界術式を書いたページで挟んで封印しているというもの。不死というキーワードが載っている本を無差別に持ってきたからそういう危険な物も混じっているそうだ。

「とりあえず安全な奴だけこっちによけておいたから、開くならこっちのにした方がいい」

 そう言って安全らしい、本と、リベルの不死特性のリストをよこしてくる。とりあえずまずは不死特性のリストを確認してからですかね。

 開いてみると、とんでもない数の不死特性が羅列されていました。数も多く、対策も確立されている物から、現在ではリベルのみが保有しているであろう物まで。

「一応、僕の不死特性は全部書物から得た知識で行ったものだから、全てに前例はあるし、不死者狩りに討伐された記録もあるはずだよ」

 個々の不死特性それぞれには前例があるかもしれないが、複数持ち、それも何十個も個人で保有している不死者なんてのは前代未聞ですからね。

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