不死2
「ということなんだけど、どうですかね?」
「そうですね、もともとこの図書館は閲覧自由ですが天界にあるので一般の死神では閲覧することはできませんし、検索性も皆無と言ってもいいですね、と僕はテロリカへ言った」
天界の図書館でリベルが自分の不死特性を得た記録が載っている歴史書を図書館から探して、一つにまとめ直している間にリベルティに死神組織でこの図書館の情報を閲覧できるようにできないか相談してみてるわけです。
「そういう話はできれば死神組織を統括している死の神が持ってくるといいんですけど、と僕はテロリカに言った」
「え、死神組織のトップって神族なんですか?」
「知らなかったのですか?、と僕はテロリカへ言った」
「少なくとも死神の学校では教えてくれませんでしたね」
私が不真面目で授業をしっかり聞いていなかったからではありませんよ。
「彼は自分の眷属に何も説明していないんですか、と僕は独り言を言った」
リベルティは呆れたように肩を落とす。誰かに向けたわけじゃない発言をするリベルティはなかなかレアな気がします。
「いいでしょう、説明します。死神組織は死の概念を乱さないように死の神モルスが、生命の神ウィータが神族を生命にしたことで人手が必要になった時に創設した、魂の循環が澱まないようにするための人手を能力がある死者に任せたことから始まった組織です。そして現在のトップは六番目のモルスが担当しているはずです。そういえば彼は普段はずっと天界にいて直接死神に会うことはないため、知らなくても無理はないかもしれないですね、と僕はテロリカへ言った」
「ぜんぜん知らなかった」
「僕も説明してて思いましたが、普通の死神は知らなくても不思議ではないですね。彼はもっと自分の眷属とのコミュニケーションを密にすべきです、と僕はテロリカへ言った」
ていうか、神族の人がトップにいるなら最初に天界に行く用事があった時にもっと助けてくれても良かったのに。
「死の神モルスには僕から言っておきます。図書館に簡単に来ることができて、蔵書の検索を行うことができる神具を用意して死神に支給することにしましょう」
リベルティの協力が得られたので、これからの仕事が少し楽になることでしょう。相談してよかった。
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