勝負を終えて
「さて、都合よくリベルも気絶していることですし、リベルの秘密を教えてもらいましょうか」
誰が気絶させてしまったかはさておき。
「ちょいまちや、先にこの勝負を閉めてまわんとな。嬢ちゃんに教えるんはええとしても、さすがに村の人に聞かせるわけにはいかんでなぁ」
なるほど、契約によって、聞く権利を得たのは私だけですからね。じゃあ何で村の人を集めたんだろうか。
「ちゅーわけで、二人の勝負はこれにて終わりやで!みんな来てくれてありがとなー!」
観客席に向かって叫び、一礼をして場を閉める。それだけのことなのに、村の人たちはぞろぞろと観客席から降りていき、日常へと戻っていく。
「もしかして、今まで彼ら操ってました?」
トラトならやりかねない気がする。
「ん?別に操ってはおらへんで?単にここに集めて雰囲気で流しただけや。強制したわけやあらへんし、神力もつこーてへんで?」
純粋なカリスマ性ってやつですかね、これが神族……。
「そんじゃ、周りもいなくなったことやし、リベルの秘密についての話でもしよか」
倒れているリベルと私たち二人が残された舞台の上で、トラトはにやにやと笑いながらリベルの秘密について話し出す。
「実はリベルの正体はやな、なんと!なーんとな!上級神族なんや!」
「違うよ」
「ちょわっ!。なんやリベルか」
リベルが気絶から覚めたようです。
「てか、違うってどういうことや。うちはさっき、確かにあんたに上級神族の力を見たで?」
「ちょっと待ってください。そもそも、上級神族ってなんです?」
「ん?、嬢ちゃんは知らんのか。そやなぁ、上級神族ってのは簡単にゆうたら、上級の神族やな」
それ、そのまんまですから、それじゃあ何にもわかりませんから。
「トラト、それじゃあ何にもわからないだろう。テロリカ、上級神族っていうのはね、神族の中でも、原初神族が直接生み出した神族のことを言うんだよ」
新しい単語が出てきましたよ?原初神族の方が良く分からないんですけど。
「原初神族ってなんや?」
トラトも知らないみたいですね。それを知っているリベルって何者?
「ああ、トラトも知らないんだね。この際だ、僕の口から説明するとしようか。二人は、この世界に伝わる神話を知っているかい?」
「神話ですか?確か、最初に一人の神様がいて、何もなかった空間に概念を生み出したんだっけ?」
「そんで、神族を生み出して概念と結び付けたって聞いたことあるなぁ」
「そう、最初の神が生み出した、直接概念と結び付けられた神族、それが原初神族さ。そして、僕はその原初神族の一人だったんだ」
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