勝負3

 冥界から天界への行きかたが送られてきて数日が経ったある日、私はひらめきました。天界へ行く方法ではなく、リベルを殺す方法です。

 正確には殺す方法というより、魂を回収する方法なのですが、結果的に死ぬので殺す方法ということでいいでしょう。

 その方法は簡単、「天命の契約書」を使うのです。契約文として、「不死者リベルは死神テロリカに魂を譲渡し、その後復活しないことを誓う」と書いて私とリベルにサインさせればよいのです。これで、契約完了と同時にリベルの魂は私の物、リベルも復活しないしで任務達成という、完璧な計画です。

 早速リベルにサインさせに行きましょう。

「リベルいますね!この契約書にサインをすれば、あなたの望みが叶いますよ!」

 先日までねこんでたリベルは元気になってきているが、まだしばらくは村の人たちからの依頼も受けずに休んでいるので一日中家でぐーたらしてます。

「なんだってそれは本当かい?」

「ええ、この契約書にサインをすればあなたの魂は私のものになり、あなたは復活できなくなる、そういう契約です」

「なるほど、契約の神の力で復活を抑えるということか。うまくいくかな」

「いかなきゃ困りますけどね。神の力を使っても殺せないってどういうことですかってね」

「全く、本当にね。まぁ成功すれば、これで君ともお別れになるわけだけど、何か最後に言っておくことはあるかい?」

「絶対にもう生き返ってこないでください。それぐらいですね」

「そうか、じゃあさよならかな」

 リベルは契約書にペンを走らせる。


 結論から言うと、失敗した。

 生き返ってこないと言いはしたが、そもそも死ぬことすらなかった。何故だ、計画は完璧、死ぬはずだったのに、なんで死なないんだ。

「まぁ、これぐらいで死ぬなら苦労はしないよね」

 もしかしてリベルは分かっていたのだろうか、これで死ぬことはできないと。そのうえで最後の言葉を引き出そうとしたとしたら、もしそれでもっと恥ずかしいセリフを吐いたりしていた日には魂を砕いてでもリベルを殺すしかなくなるところでしたよまったく。

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