勝負2

 まぁ、天界へ行くことが無理でも?リベルを殺すために絶対必要とかでもないですし?気にすることではないんでしょう。しかし、現状リベルを殺すアイデアが不足しているというのも事実。できればリベルを殺すためのヒントが欲しい、そういう状態です。

 ヒントを得る、それだけのことが実現不可能に見える。しかし、そもそも私がやろうとしていること自体が不可能と言われてるようなものなので、特に問題はないです。

 不可能なことを達成するために必要なことが、不可能だった、何も変わりません。何も問題はないのですよ。

 しかし、不可能とはいえ、もしかしたら万が一ぐらいの確立で達成可能なのかもしれないじゃないですか。

 例えば、偶然にも現世に旅行に来ていた神族の人とばったり出会ったり、さっきの手紙には書いてないだけで死神組織の方から天界へコンタクトを取ってて門を開く準備が進んでたりとか、あるかもしれないじゃないですか。ないかな?

 でもまぁ、もしかしたらリベルが何か知ってるかもしれませんね。なんたって天界出身ですから、神族に知り合いとかいてもおかしくないですよね。


「というわけなんですが、リベルは連絡が取れる神族の知り合いとかいませんか?」

「いないよ」

 体調がまだ悪いのか、やけにぶっきらぼうですね。

「そんなこと言わないでくださいよ、もしかしたら天界にはリベルを殺すヒントになる物があるかもしれないじゃないですか」

「確かに、天界には僕が不死を獲得してきた記録も存在するけど」

「けど?」

「前にも言ったように、僕はもう天界へは行けないし、行きたくないんだ」

 そういえば、前に天界へ行ってアクシーさんの名前を確認しに行こうって時もそう言ってましたね。

「なんでですか?」

「僕はね、天界での仕事が嫌になって、後任に全てを押し付けて逃げたんだ。だから、戻ることはできないし、戻る勇気もない」

 仕事を押し付けられた後任の人は相当リベルを恨んでいることでしょうね。なんたって、リベルが逃げ出したくなるような仕事を全て押し付けられたんですから。

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