7話:勝負

勝負1

 その後も魔界名所をいろいろ回ったのですが、どれも大した成果を得られず、リベルがねじ切れたり、ミンチになったり、毒の沼に溶けたりして、無駄に苦しんだだけで魔界旅行は終了しました。私としてはそれを眺めているだけでも有意義な旅行でしたね。

 あえて成果を挙げるとすれば、魔界の空気でリベルが死ぬほど体調を崩すことと、リベルは魂だけにしてもその場で肉体を再構築して復活することができることがわかったぐらいですね。

 現世に帰ってきてからも体調不良は続き、リベルは暫く寝込んでいました。


 魔界から帰ってきて、暫く経ったある日、家のポストに手紙が届いてました。このポストは「二つの同じポスト」という名前の魔導具で、異世界だろうとどこだろうと、対になっているポストに手紙を入れると一瞬で手紙が届くという仕組みになっているのです。逆にこのポストに入れた手紙は対になっているポストに届きます。

このポストの対になっているポストは冥界にある不死者狩り本部に存在しているようで、冥界に天界への行き方を問い合わせた後、ものすごい勢いで降ってきて、家の前に刺さりました。それ以降はこのポストを使って冥界とのやりとりをしています。

 そして、このポストに手紙が入っているというと、何やら冥界から連絡があるようですね。天界への行き方でしょうか。

「なになに、現世から天界へ行くには」

 ズバリ天界への行き方の話のようです。別に行く必要はないんですけど、天界へ行けば現世や冥界にはない資料があったりしそうですし、リベルを殺すのに役立つ情報もあったりしそうですね。

「それで、天界へ行くには?現世から天界へ行くには、天界へと続く、天の門をくぐる必要があり、天の門の場所は定まっていない。天の門は天界側から神族が開く以外に現世に出現させる方法はないため、天界へ行くには天界に住む神族により、召喚される必要があるということだ。それ以外の方法で現世から天界へ行くことはできない」

 なるほど、まずは天界に住む神族に対してコンタクトをとる必要がある。そういうことですか。


 無理では?

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