不死というもの2
リベルが村の人からの依頼を受けて出かけている間は私も村で農作業の手伝いをしたりする。この村の人たちはみんな優しいので、私が手伝いを申し出るとあまり力のいらない簡単な仕事を任せてくれるのです。
今日は家畜の餌やりですね。この餌もリベルの血肉を栄養に育った作物らしいですよ。栄養価がすごい高いので、家畜もおいしいお肉になってくれるそうです。病気にもなりにくいらしいです。何でですかね。
一通り餌やりを終えました、お駄賃もらいましたよ。飴ちゃんもらいました。甘くておいしいです。
リベルも帰ってきているようですね。
「今日の魔物はやけに強かった」
「そんなにですか?」
リベルは通常の魔物相手に苦戦することは殆どない。普段のリベルからは想像できないが、戦闘力は結構高く、死なないこともあって、相手が強いなんて感想は出会って数か月経つが初めて聞いた。
「ここら辺に生息している魔物なのは間違いないんだけど、強かった。十倍ぐらい」
とんでもない強さだったようですね。
「何か変な物でも食べたんでしょうか」
魔物は食べた物が高い魔力を含んでいたり、魂の濃度が高い動物だったりすると、強くなるそうな。私は魔物を見たことがないのでよく知らないんですけどね。
「この辺にはそんな魔力が高い餌になる物なんてないよ」
「ミステリーですね」
原因不明の魔物の進化。もしかしたら何者かが裏で糸を引いているのかもしれません。
「おそらく、犯人はリベルを殺そうとしている奴です」
「そんなの僕を知っている人全員そうだよ」
「…………まぁ、きっと賞金稼ぎの人ですよ」
「賞金稼ぎが魔物に餌をあげるかな?自分が食べられちゃうかもしれないのに?」
「迷宮入りですね」
考えても答えなんか出るわけがなかった。
「何にせよ、魔物が強くなれば死ねる可能性が上がるんだからいいんじゃないですか?」
「僕が死ぬ分には歓迎なんだけど、村の人に危害が加わる可能性があるのはちょっと困るな」
そういうことも考えるのか。死ぬことしか考えてないのかと思ってた。
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