悪魔3
天界に行けないとして、悪魔の名を知るにはどうすればいいだろうか。
「まぁ、急ぐことでもないだろう。魂の所有権はあるのに、僕が全然死ななければまた様子を見に来るだろうしね」
「だから、それが何年後、何十年後になるかわからないから言ってるんですよ、リベルが何百年生きたか知りませんけど、私は人間として生まれて、死神として過ごした時間を足してもまだ十七年なんですよ!時間の感じ方が全然違うんですからね!」
「なんだ、死神っていうからもっと長い間生きているのかと思ってたよ。確か前の死神は最後に聞いた時が二百四十三歳だったかな?」
結構な高齢、それで最近冥界に帰ったというのならば定年だったのだろう、死神の定年は死神となってから二百年だ。
私は十二歳の時に死神になったので、二百十二歳まで死神でいられる。
「とりあえず、天界へ行く方法と悪魔の名前は冥界の方へ問い合わせておきます。返事が来るまで、悪魔のことは一旦置いておくとして、何か他の不死特性を無効化する方法をあなたも考えておいてくださいよ」
後日、冥界から問い合わせに対する答えが届いた。天界へ行く方はいまだ天界に対して問い合わせ中とのことで、悪魔の名前に対するものだった。
結論から言えば、悪魔の名前はわからないそうだ。もともと、冥界では悪魔の魂を管理しておらず、その悪魔を特定することすらできないそうだ。しかし、冥界で保管されている道具の中には悪魔の追跡をするための道具などもあるようで、それの使用許可を出すので自分でやってくれとのこと。
「というわけなので、リベルが契約した悪魔をこの『デモンズーヘァ』とやらを使って探してみようと思います」
早速使えるようになった道具を使おうと思う、形状は台座に水平に取り付けられた輪の中に球がはまっている。
「で、リベルはこれに手をかざせばいいみたい」
「かざすだけでいいのか?」
リベルがデモンズーヘァの球にてをかざすと、球が高速で回りだし歪な音を発し始める。
「ねえ、これ大丈夫なのかい」
「説明書によると、この歪な音は魔界へ干渉している音らしいから大丈夫っぽいよ」
「だんだん手が熱くなってきたんだけど」
「手を介して魂から悪魔の情報を読み取っているみたい。最悪腕がもげるって書いてあるけど」
どうせもげたところで再生するんだ。リベルには関係あるまい。
そうこうしていると、徐々に回転が収まり、何やら文字が表示される。
「これが悪魔の情報かな?結構簡単にわかるもんなんだね」
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