3話:悪魔
悪魔1
リベルに対し、様々な殺し方を試した日から数日が経過しまして、あれから毎日のようにリベルをハンバーグにして魔物の餌にしたり、灰にしたり、魂も逃げられない超重力の檻に閉じ込めたりしてますが、全く意味はなく、ある意味平穏な日常が続いています。
そんな日々が続いたある日、リベルを訪ねる人が現れました。普段から賞金稼ぎの人がちょくちょく訪れてはリベルを仕留めきれずに帰っていくのですが、今日の訪問者はなんだか雰囲気が違うようですね。黒ローブを纏っていて、顔もマスクで隠していて姿が全く分かりません。ただ、なにやら怪しい雰囲気を纏っています。
彼?はリベルに対して暫く悪態をついていたかと思うと、特に殺すようなこともせずに帰っていきました。
「ねぇリベル、さっきの人はなんだったの?」
「ああ、あれは僕と契約している悪魔の人だよ」
「な、それならそうと言ってくれれば契約を正式に破棄するチャンスだったというのに。」
あの時、「破約の書」というアイテムを使って悪魔との契約を一方的に無効化してやったのですが、不死の効果は失われても死んだときの魂の所有権まで取り返せなかったんですよね。破約の書、契約者が双方そろっていないと、いる方のメリットだけ消えるってどういうことだ。
「そんなこと言われても、あれとの契約は破棄されて悪魔の力での不死はなくなったから関係ないんじゃないのか?」
「あなたには関係なくても私の仕事には関係大ありなんですよ、私の仕事はあなたを殺すだけじゃなくて、魂の回収もなんですからね」
そう、もしリベルを殺すだけでいいのなら魂を破壊することもできるのだが、それでは魂の回収ができないので、魂自体を砕いたりはしない。魂を砕いたところで死ぬとも限らないのだが。
「でも、彼、何で不死の契約なんてしてるんです?死ななければ悪魔の契約的に魂を奪うことなんてできないでしょう」
「僕とあれが結んでいる契約は特殊なもので、死んだときに魂を渡すんじゃなくて、契約の力で生き返ったときに、魂の一部を渡すってものなんだ。だから、僕がもし普通に死ぬ体だったとして、死んだら生き返る代わりに、死ぬたびに魂がどんどん欠けていくっていうことかな。殺されても死なない契約。老衰とか寿命では普通に死んじゃうんだけどね」
へぇ、面白いことを考える悪魔もいるんですね。
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