試行錯誤7

 リベルが殺す必要がある不死者のリストに入っていない?それはどういうことだ。

「僕はね、本来死神が殺す必要のない不死者だったんだよ」

「そんな不死者がいるなんて聞いたことない」

 すべての不死者は死神が狩る対象だとは聞いているが、例外がいるとは聞いていない。特にここまで力を持っている不死者であるリベルが例外なんてよりあり得ることではない。

「詳しいことは省くけど、僕は生まれついて不死特性を持っていてね、寿命というものがなかったんだ。寿命がないのが自然だから、死神が狩る対象にはならなかったんだよ」

 生まれながらに不死なんて、そんなことがあり得るんだろうか。

「僕が持っていた不死特性は種族特有のものでね、もし、今も僕の他に生きている彼らがいるとしたら、彼らも死神の不死者リストに載っていないと思うよ。まぁ、もうみんな死んじゃったと思うけどね」

 もともと寿命が存在しない者ならば不死でも不死者狩りのリストに載らないなんて、そういえばとある生物は寿命が存在しないという、リベルも元はそれなのだろうか。

「大体、言っていることはわかりました」

それで私ですか、放っておいても世界に歪みを生まない、緊急性が無い案件、普通、殺す方法が無いなら無いで、現地にもっと凄腕のあらゆる殺し方を身に着けているような人が派遣されて急いで殺す方法を試すはずですからね。本当に私は死神の中で軽い存在のようです。

「本当、ぶっ殺したいですねぇ」

「何、何でそこで殺す気が増しちゃうんだい?」

「なに、あなたの担当であることがどれだけ不名誉なことか再認識しただけですよ」

 こいつをぶっ殺して私をここに派遣することを決めたやつらを見返してやろう。絶対にだ。

「これから私は、あなたを毎日思いつく限りの方法でぶっ殺します。できるだけ、復活しないように死んでくださいね」

「難しいことを言うね、復活に関しては完全に勝手に発動してしまうから、期待には応えられないかもしれないけど、頑張ってね」

 しばらく、殺る気が充実した生活になりそうだ。

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