2話:試行錯誤
試行錯誤1
リビングで資料を読みながら不死者リベルを完全に殺す方法を考えていると、生き還った不死者リベルが入ってきた。
「なんの用ですか、今あなたをぶっ殺す方法を考えているので邪魔しないでください」
「なんだ、それなら僕も手伝うよ。僕も早く死ぬ方法を確立しておきたい」
協力的ですね。なんの不死特性を持っているか把握しておかなければ殺せないし、話を聞かせてもらいましょう。
「聞いているとは思うけど、僕は様々な不死特性を持っている」
リベルは正面のソファに腰かけ話し出した。
「吸血鬼化、悪魔との契約、神の呪い、肉体改造、錬金術、魔術。昔は、ありとあらゆる方法で不死を獲得してきたんだ、大まかにはそんな感じで不死特性を持っているけど、それぞれがさらに細分化される」
「獲得してきた、ってことは自分で不死になったのに、自分で死に方がわからないってことですか、何を考えてそんなに不死特性を増やしたんです?」
「昔はとにかく死ぬのが怖くてね。とにかく僕は気分屋だったから、うっかり死を望まないように、うっかりで死を望んでも死ねないようにしたんだ」
「その結果、今は死のうと思っていても死ねないと。やったじゃないですか。作戦大成功ですよ」
「そうだね、もしこれ以降死にたくなくなったら僕は『良かった、絶対死なないようにしてて』とか言うのかもね」
多少話がそれた気がする。
「それはさておき、様々な不死特性がある割にはさっき、あっけなく死んで生き返ってましたけど、超再生力とかないんですか?」
「あるよ、だけど発動してなかった。その日の調子によって発動しない不死特性があるんだ。僕の中で不死特性が干渉しあって、無効になる。今日は超再生力が無効になっているみたいだね」
日によって無効になる不死特性がある、これは有益な情報ですね。
「あと、不死特性毎の弱点もそのままだね、例えば吸血鬼としての不死は銀の武器で無効化できるし、肉体へのダメージも大きくなる。ただし、他の不死特性があるから致命傷にはならないけどね」
同時に複数の不死特性の弱点を突くことができれば、殺せる可能性がありそうですね。
「今のところ、僕自身が把握できている弱点はそれぐらいかな」
「参考になりました。不死者リベル、今日は帰ってください。明日から、本格的にいろいろ試させてもらいますよ」
「あー、それなんだけどさ。僕、ここに住むことになるんだよね」
……は?
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