試行錯誤2
こいつ、今なんて言いました?ボクココニスムコトニナルンダヨネ?
「ちょっと今の私にはあなたが何を言っているか理解できそうにないので、明日またお願いします」
「さっきも言ったけどさ、僕はここにあった、前の死神の家に住んでたから他に住むところがないんだよね」
話を聞かない人のようです。どうせ死なないんだから地面に埋まって寝ればいいのに。
「それで、なぜ私のところに住むんです? 私が、あなたの寝る穴を外に掘ってきましょうか?」
「それはまた今度でいいよ」
一応、監視対象ではあるのだし、目の届くところに置いておいた方がいいのかもしれない。今夜一晩だけ様子を見ることにしよう。
「そうですか、仕方ありませんね。しばらくはここ、リビングで寝てください。もし、何かおかしなことをしようとしたら、また、殺せないとわかっていて惨殺しますからね」資料にはそれ向けの道具も多く載っている、誰が書いたかは知らないが便利なものだ。
「わかってるよ、僕は小児性愛者なんかじゃないからね」
「そうですか、不死者リベル」
「なんだい?」
返事をした不死者リベルが私の手にある瓢箪に吸い込まれる。
「わざわざそういう念押しをするところが非常に怪しいので今日はそこで寝てください、うまくいけばそのまま溶けてお酒になることができますよ」
この瓢箪は『
「朝になったら出してあげますからね、それまでそこで溶けていてください」
瓢箪をリビングに置いたまま、寝る準備をする。
朝、起きてリビングに向かうと不死者リベルが朝食の用意をしていた。
「どうやって出てきたんですか」
「僕は封印にも耐性があってね、何度死んでも脱出できそうにないような状況になるとその状況を脱することが可能な場所で生き返るんだ」
封印の類はそもそも魂を回収できないので、こちらとしても無意味だからすることはないと思いますが、最悪の不死者という名に相応しく面倒な特性を持っているみたいですね。夜は簀巻きにする、とかにしましょうかね。
「ちなみに、これは術式に頼らない単純な封印、例えばロープでぐるぐる巻きにする、とかでも効果が発揮される。脱出不能な落とし穴に落としたりもね」
作った食事をテーブルに並べながら、思考を読んだかのような忠告をしてくる。
「本当にあなたは面倒ですね。そもそも封印はしませんけど」
「まぁ、死ななければ発動しないけどね」
夜は猿轡を咬ませて、簀巻き、これですかね。
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