第三部 Fáfnirs

13枚目 雄叫びをあげる翼竜と石像

GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA

雄叫びをあげるそいつは、竜人族と呼ばれる種族よりもさらに龍に近い、

「コイツが噂のミュータントか!?面白い、鍛冶屋、一旦休戦だ!」

紅崎から話を聞いていたものの、実際に目の当たりにするのは初めてのシン。その目の前には竜人族とも違う、腕がなく翼がある怪物集団

「ミュータント確認。勝手に攻撃対象変更するぜええ!」

一方、こちらはミュータントとの戦闘経験が何故かあるフィア。恐らく彼もミュータントとの戦闘は経験済みなのだろう。

「援軍登場でござる!」

ハリモトが学校の2階くらいの高さで積まれた岩から、腰に綺麗な放物線を描き華麗に飛び降りる。

「助かった!」

元々の仲間がそう言ったかと思うと、一時共闘中の仲間と共に蜥蜴ミュータント、バーンズの軍団に突っ込んでいく。


「お前、竜人族か?それとも…………あいつらの親玉か?」

岩の怪物と戦った事のある紅崎。彼が目の前のしゃべる龍を竜人族ではないと決め打った理由は3つある。まず、鱗の1つ1つが竜人族大きい事、次に腕と翼の数が1対づつ多く、その多いぶんの腕の色だけが全身の赤に対して緑色になっている事、そしてその体格。自らの倍以上もある点で紅崎は驚いた。

「ほうほう、これが噂のミュータントか!やるぞ、ヘルプタン!」

「了解なんだな!」

相手から情報を引き出そうとする紅崎とは裏腹に達はその牙を剥く。

「俺の名はファフニアス。ミュータントの幹部だ。そしてお前らの相手は…………ゴレイム、行け!」

その号令とともに現れたのはが前に取り逃がした獲物。前回よりも身体の岩が削れ、速度が上がっている。その上で兵器の質も上がっているのだ。

GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA

「PhantomOfNightsだろうがミュータントだろうが全員俺が潰してやる、来いよ」

紅崎は挑発するが…………

「これがお前が負けたっていう岩の怪物か、俺たちが破壊してやる!」

「じゃあ俺達が岩の怪物を倒すんだな!一時休戦なんだな、クレサキ!」

ギブソンはゴレイムを置いて逃げようとするファフニアスの追跡を紅崎に任せた。追跡能力では自分達のほうが上手いのにも関わらずこのような態度を取ったのは恐らく目の前の獲物に対する闘争心のほうが勝ったことが原因だろう。

「…………そうしてくれると有り難いぜ。俺は親玉のほうをもらおうか!」

実は今戦っているのとは別の幹部の妨害を受けたのが原因であり目の前の敵にやられたわけではない。まぁ、負けたことには変わりないが。そう言おうとして紅崎はやめた。前回負けた敵と再戦する事よりもそれよりも強い親玉を優先したのだ。

「いくZE!!」




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