11枚目 【RaremetalRealize】VS【BirdMasters】


「イグル召喚ッ!」

「ミスリルッ!」

こちらはいきなり両者共に能力全開で戦っているようだ。バンダナ男ことシンは鳥類を召喚しその手に持つロッドで操る能力、フィアは様々な希少金属や魔法金属を作り出す能力だ。

「なんだァその鷲は?防具なんかつけてよ、俺の攻撃力を舐めてんのか?」

「ミスリルの塊?武器でも防具でもなく?戦闘中には意味ねぇじゃねぇか!」

何故かこのタイミングで舌戦が始まる。互いに相手を挑発しようとする。彼らはよく似た性格だ。自分がされて嫌な事を相手にしようとする。が、乗るか逸れるか、といった面で性格の違いが現れる。



「バカが、塊をぶつける戦法もあるんだよッ!」

挑発にフィアは創りだしたミスリルをイグルと呼ばれた鷲にぶつけていく。が、防具をつけているにもかかわらずそのスピードは非常に疾い。無論、全て回避される。

「そんな速度じゃ当たらないぜ!」

「ところで、俺はここの工学部なんだが…………」

フィアがミスリルの塊を投げつづけながらそう発言する。この含みのある言い方はバンダナの内側にある脳への興味をひく。

「それがどうした!?」

シンは自分のほうにも飛んで来るミスリルの塊を弾きながらもイグルに的確な指示を出す。フィアは自分のほうに向かってきたミスリルの塊に両手に持ったハンマーを叩きつけた。

「このハンマーは自作品でなぁ、こちら側で叩くと熱を発するんだよォ!」

「…………まさか!?」

塊が赤く、そして平べったく小さくなったのを遠くから見たシン。彼の頭には今詰め寄るのはマズい!という寒気を感じていた。

「そしてェ、こちら側で叩くと冷気を発するんだぜェ!」

フィアはミスリルの塊をいつの間にかいた。明らかに鍛冶屋のスピードではないし設備も全くと言っていいほど整っていない。

「こりゃえげつねぇな。この雑魚でミスリルソードかよ…………」

近づかなくてよかった、そう考えるシン。ここでもちゃっかりと相手を挑発する。

「俺を雑魚呼ばわりとは…………よっぽど強いんだろうな!?」

そしてやはり売られた喧嘩は買うフィア。シンはミスリルソードで突っ込んでくるフィアを手にする棒でおもいっきり弾く。

「ほうほう、やるな。」


「イグル、フレイムコメットだ!」

イグルの炎を纏った斜め上からの突進を受けるフィア。

「これは効くなぁ…………」

と言いながらも全くダメージを喰らっていないのにはシンも少し焦りを見せる。が、フィアもイグルの予想外の攻撃力に焦りを見せている。

「ほう、新しく木の盾を作っていたか。」

「まぁな、でもこれでお前の弱い弱い技は大体出揃っただろ。」

と、ここでも例の挑発を行う2人。

「ダッチ!」

「ミスリルアーマーッ!」

シンはダチョウを召喚、その上にまたがった。一方のフィアはミスリルの鎧を装着していた。2人ともまだまだ奥の手がある、という事だ。



一方その頃…………


学校  二階廊下では馬のように駆ける紅崎とそれを獲物を見つけた狼の如く追うギブソン。

「そろそろ逃げるのも終わりだ、能力はお互い分かりきってるだろ?始めようぜ?」

「そうだなァ!」

が睨みをきかせる。

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