7枚目 RS


「やっぱりここの肉は最高だな!」

肉を丸呑みにしてそういうのは理典。

「おうおう、じゃんじゃん食ってけよ!」

「オヤジ、コーラよろしく。」

「自分で取りな!」

コーラを要求するのはやはり紅崎だ。勿論親は甘やかさない。いや、むしろ自分の金で買ってこいと言わないだけ過保護なのかもしれない。

説明をすっぽ抜かしてコーラばかり呑む紅崎と肉を喰らう理典の横で、説明をするダイヤ。いいとこを持って行かれた理典よりも彼のほうが苦労人かもしれない。

「RainbowStarsは紅崎、理典、ハリモトさん、シン、僕の同期5人と輝夜ちゃん、龍牙リュウガくん、実夕くんの紅崎の兄弟3人で構成されているんだ。」

「そ、その龍牙リュウガさんというのは?」

「紅崎の弟だよ。リーダーこそ紅崎だけど多分チームの中ではエースなんじゃないかな?」


「で、私達を加えるのはなんでなのかな?」

当然の疑問をリーフがぶつけた。

「リーフ殿は属性という概念はしっておりますかな?」

ハリモトがこのタイミングで意味深に聞いてくる。

「この世界のエレメントの話よね?流石に魔法でも同じ要素があるから知ってるよ、炎、氷、風、地、雷、水のエレメントに光、闇、無の上位エレメント、さらにそれらの合成比率で無限大にあるのよね?」

と、優等生オーラを出しながら的確に答えるリーフ。

「正解です。お兄さんのシャインハンドは光、ダイヤさんのタイムストップには時の属性を持っていますの。ちなみにダイヤさんは氷の魔法も使えますよ。」

「で、うちのグループは炎がシンさん、カグヤ、あと今日加わったコロナさん、とこんな感じで3人もいるんだ。」

能力について簡単にバラしてしまう輝夜と実夕。輝夜は紅崎の能力は有名、ダイヤの能力は防ぎようのないとまで言われるレベルの能力である為にバラしても問題ないと考えたのだろう。しかし、実夕は何も考えずにそう発したに違いない。

「俺も最近使えるようになったから4人な。で、その中で地と風の属性を持つ人間が1人もいない。」

紅崎が言うのは謎の魂レリシュの能力の事だろう。だが、簡単に語った。何かあるのだろうか?

「…………なるほど、分かったよ!」

つまりは、そのうちの風を扱えるリーフは即戦力になる、という事だ。

「コロナはうちのチームにない機動力があるから。」

つまり、他のチームから勧誘したか、ドラフト的な何かがあったのだろうと思う発言だ。若しくは文字通り地面に埋まっていたのだろうか。

「俺は!?」

と、ヤンキーが肉をほおばりながら言う。

「今後能力が発現する可能性があるからな!」

理典がガッツポーズをしながらそう話す。

「つまりは俺もすげーの使えるかもって事か!いいな!」

と、満足気にまた肉にむしゃぶりつくベンジャミン。

「チームメンバーの能力の情報とか教えてもらえないかな?」

「まぁ、お楽しみにってとこかな。」

「…………」

リーフが興味津々に聞いてくるが、答えてはいけない雰囲気を作るダイヤ。紅崎は言いたかったのだろうか、不機嫌そうな顔になる。



2時間後…………

「あー食った食った。」

「おう、じゃあな!」

「お兄さん、1つ忘れている事があるのでは?」

「おっと、そうだな。リーフ、ベンジャミン。お前らはグループに入るか?」

「うん、入るよ!あの空気じゃあ入らないなんていえないし!」

「面白そうだしな!」

「…………あぁ、じゃあ改めてよろしく。」

紅崎はそう言うとリーフの肩を引き寄せた。

「あのー、俺はどうすればいいんすかねぇ?」

「お前は帰って女とイチャコラしとけよ」

気まずい空気になるベンジャミンといい雰囲気になる紅崎周辺。店は普段の閉店時間を2時間も過ぎていた。家族は空気を読んで部屋に戻っていった。




先に店を出ていた4人と合流して広場まで出たベンジャミン。

「じゃあ俺はこっちだから!じゃあな!」

「拙者はこちらでござる。」

と言うと、理典はビールを飲みながら商店街に消え、ハリモトは山のほうへと向かっていった。

「うん、おつかれ!」

「で、では!」

その後、研究所のほうへ向かっていくダイヤを見送ったコロナは森のほうへと帰っていった。

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