第二部 gibson-rex
6枚目 ヤキニク
「どうしたの?」
いきなり呼び止められた事にびっくりするリーフ。
「まぁな、会わせたい奴がいる。」
と、満面の笑みを見せて言う紅崎。その手には何故かポテチ。一体彼はどこから出したのだろうか。
「もしかして今日の事件と関係あるのか?」
ポテチはいつもの事と納得しているベンジャミンはそれよりも呼び止められた理由について聞く。
「…………まぁ、行けば分かるさ。」
と言うと紅崎は走っていく。
「おい、待てよ!」
ベンジャミン達も急ぎ彼の後を追いかける。
焼肉屋びーびー
「そこが俺の家だ。」
紅崎が淡々と紹介するが、その家は…………
「…………え?」
と、リーフが驚くほどのものだった。なぜなら…………
「ここは…………焼肉屋か?にしてはけっこう豪華な外装だな。」
全面が赤い色で塗られ、木の看板がかかっている。さらに上を見上げると3階くらいはありそうだ。が、それを淡々と語るベンジャミンも只者ではない空気が出ている。
「あぁ、オヤジが焼肉屋を営んでいる。今日は多分お前らの知ってる顔もいるぜ?」
「いらっしゃい!って、終夜じゃねーか!」
リーフ達が中に入ると紅崎と家族とは思えないようないかつい親父が荒ぶるように肉を切っている。
「おう、ただいま。今日はアレ仕入れてあるか?」
「おうよ!」
と、何かがあるかのようなやりとり。
「あら、お兄さん。お帰りさないませ。」
背の低い、クレサキよりも二回りも小さい少女がお盆を持ちながら挨拶をする。
「カグヤアアアアアアアアアアッ!」
紅崎はおもいっきりカグヤと呼ばれた着物姿の少女の頭をなでた。
「お兄さん、見られてますよ?」
「見られて何が悪い!」
「私が恥ずかしいんですの…………」
着物の少女はワントーン声を落とし、威圧気味にそう言い放った。
「お、そうかすまんすまん。こいつが
紅崎は冷静さを取り戻し普通に妹を紹介する。親を紹介しないのはほぼ必要ないと考えたからだろう。
「よろしくおねがいします。」
先ほどとは一転、満面の笑みでそう応える輝夜。
「よろしくね、輝夜ちゃん!」
それに対して同じくらいの体格のお姉さんリーフが優しくそう返す。
「兄貴帰ってたのか!」
乱暴に扉を開けた男が勢い良く椅子に座る。が、それをすんなり受け流し
「おう。このデブが
弟を紹介するクレサキ。
「というわけだ!よろしく!」
実夕は元気が有り余っている
「ほうほう、面白いな。こいつらを紹介したかったのかー?」
「まぁな。でもまだいるぜ?もうちょっとしたらお客さんがくるんじゃないか?」
「やっほー!」
「来たぜ!今日はいっぱい食べるぞ!」
と、いつもの2人。ダイヤと理典だ。が、さらに3人の男女が後ろから入ってきた。
「クレサキ、今日の話は聞いたのでござる。」
ござる口調で肉など食べそうにない式服男。
「面白そうだよな!あ、おっちゃん!かつお節分けてくれ!」
バンダナをつけた、先ほどの式服男とは対照的に焼肉屋でバイトをしていそうな感じの男。
「こ、こんにちは…………」
「おうおう!いらっしゃい!お嬢ちゃん、連絡先交換しない?」
そして、紅崎にいきなり電話番号を聞かれたのは色白でおとなしそうな、赤髪の獣人族の少女。耳が自然に動いている。
「おい、コラ!」
「すまんすまん。」
バンダナ男がクレサキに怒鳴りつける。
「この人たちが?」
と、何かを感づいたリーフが疑問を紅崎にぶつける。
「おう、うちのグループの面子だ。バンダナのほうはシン、和服のほうがハリモトだ。」
「張本浩作ともうしまする。陰陽師の血筋でござる。以後お見知り置きを。」
「日宵真だ。普段はラーメン屋でバイトやってるぜ!よろしく!」
「「かぶせる(んじゃねぇ/なでござる)!」」
クレサキの紹介の後同時に口火を切った2人。喧嘩になろうとした時、もう1人の少女が疑問をぶつける。
「そちらの方が新入りのお方かしら?」
「は、はい!赤宮コロナといいます!よろしくおねがいします!」
おどおどしながらも年下の少女の問いに応える獣人族の少女。
「獣人族と仲良くなれるなんてさすがっす!半端ねぇな!」
「俺がRainbowStarsリーダーの紅崎終夜だ。竜牙の奴がかえっていないが…………始めるか。」
始めるか、その意味を理解していない人間が2人。
「えっと、イマイチ状況が読めないんだけど…………」
「どういう事だ説明しろダイヤ!」
「リーフとベン、あとコロナちゃんの入隊パーティーね!」
と、当たり前のように言うダイヤ。
「え、えええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
2人は唖然するのであった。
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