6.5

 厳選なる審査の末、期待にそぐわない結果となってしまったことを丁重に詫びる銀行からのメールのこともすっかり忘却の彼方へ消え去っていた、八月初頭のこと。

 いつものように職場から帰宅した私の部屋の郵便受けに、簡裁からの不在票が挟まっていた。

 やれやれ今度はなんだ。訴状はずっと前に受け取っているぞ。

 不在票を机上に投げ捨て、私は寝床も敷いていないカーペットに寝転がった。もう何が届いても不思議じゃない。

 エアコンをつける。

 疲れが取れない。

 心労もあるかもしれないが、とにかく暑すぎる。横になったまま苦労して固定電話に手を伸ばし、明日の夜再配達してもらうよう電話予約をした。スマホからだと有料だが、固定電話なら無料なのだ。

 送風口から涼しい風が吹き始めるより早く、私は軽い眠りに落ちた。

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