3さいになったのふぁ!
僕も3歳になりある程度自由に動き回れるようになった。部屋の外に出られるのはトイレか、散歩のときぐらいだが。ちなみに一人称が『僕』にしたのは話ているうちに無意識に『私』と言わないためだ。流石にこの歳で『私』という男の子も嫌だろう。
現在、算数の勉強中だ。3歳になった次の日からレイスが教え始めた。この世界では3歳から習うんだと、初めはビックリしたものである。内容は小学一年生で習うようなことばかりであったので時々、解からないフリをしながらも簡単に解くことが出来るのであまり苦痛ではない。レイスが私を何度も褒めちぎる方がげんなりする。彼に欲みたいなものが見えないので、親馬鹿みたいなものなのだろう。
今日も勉強の終わる時間になると、部屋のドアが開かれる。おそらくいつもの2人だ。
「入るぞー」
「おい、いつもノックしろと言っているだろう」
「そう堅いことをいうなよ、レイス」
「おー、ショウ!今日も来たぞ」
「ルーデンあにうえ!リーズあにうえ!」
「今日もショウは勉強か。レイスのいうことを聞く必要なんてないんだぞ。やっぱり子供は遊んでなんぼだよな!」
入ってきたのはルーデン兄上とリーズ兄上だ。第一王子のルーデン兄上は第一王妃の子で、第二王子のリーズ兄上は第二王妃の子供である。2人はレイスと同い年の13歳で、同じ学校に通っていたらしい。3人とも天才らしく学生時代は座学ではルーデン兄上が、実技ではリーズ兄上が1位と3位をとり、レイスが両方とも2位だったそうだ。見た目通りだと思う。
ルーデン兄上は母親譲りで、月の国の者ように優雅な感じで髪の毛が若草色なのもまた穏やかな印象を与える。
リーズ兄上は父親譲りらしく、屈強な軍人って感じで髪の毛が黄色なので雷神を想起させる。だが、優しい。
父親譲りらしく、というのは生まれた瞬間を除きあったことがないからだ。僕を見ると母上を思い出すかららしい。少し寂しいが母上をそこまで想っていたのだと嬉しい気持ちがある。
レイスは爽やかな好青年って感じのだが、髪の毛が赤色なので熱血なキャラの印象が取れない。
「この前の続きの本を持ってきたよ。私が読んであげよう」
「いや、ショウはこれから俺と一緒に体を動かすんだよな!」
「え、え~と」
「2人とも、ショウ様を困らせるんじゃない。ショウ様、自分のしたい方でいいんですよ」
といわれても、2人の兄上は期待した目でこっちを見てくる。どうしたものか…。
「うんとね、きょうはごほんをよむの!」
もちろん、室内活動だね!運動も嫌いじゃないけど、加減が分かりにくいから疲れる。
そう言うとルーデン兄上は嬉しそうな、リーズ兄上は悲しそうな顔を見せる。すまない、両方を選ぶことは時間的に無理のだ!
まぁそんな真逆の顔を見せる2人だけども、その2人の顔を見るのは嬉しい気持ちになる。僕に対してそこまで想ってくれていることが。兄上たちにも仕事があるって、その合間に来てくれる。
ところで今読んでもらっている本の中におにぎりが出て来ているのだが、あるのか米。久しぶりに食べたいものだ。
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