しがない詩人
身も蓋も無い事を言うと 誰かが言うのであれば
底を探して晒してみよう
奇麗に装飾されたその底を 皿として中身を上に飾れば
隠す必要性もなくなると
一人のしがない詩書きが ふとそう考えた
その後その詩人は考えた
私から 詩を奪えば何になるのだろう考える
元から詩など無かったのであれば
何にもならず生まれた時から人だった
初めから人間だった
有っても 無くても
きっと初めから人間だけだと 行き着いた
どこかにある言葉達を
私達は必要に応じて 意味を変え都合の良い様に飾る
私の言葉に完成も不完成も実は無い
完璧な道筋を必要とする人ならば
私の紡ぐ言葉は不完全で未完成
曖昧に一つの道筋を必要とすれば
私の紡ぐ言葉は完全で完成
其処にも底にも
絶対と言えないのが この言葉達だろう
何気に紡ぐ言葉もその時によって
意味合いが違う事もあるかもしれない
受け取る側の気持ち次第で
輝く事もあるが 腐る事もある
此処で今完成だと 一人で歓声を上げても
明日には未完成だと落胆する
しがない詩人はきっと詩を奪われても
又何度でもその詩で
小さな心の世界を描き続けるのです
白い本3 涼月 愁明 @setuyo00
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