虚独~こどく~

小さな暗い部屋で 独りで居る僕

寂しいと泣き出したくなる


小さな窓から漏れる月明かりから 自分の影を見て

虚像を創り 独りでは無いと言い聞かせている様な気持ちだ


小さな明るい部屋で 二人で居る僕と誰か

誰かと居るのに 一人のような気がして

独りのような錯覚がした


確かに誰かと一緒に居るのに

僕は虚しいと感じる

独りの方がまだましなのではないかと 

眼前の誰かを 自分の虚妄だと信じ込ませた


独りの孤独と二人のはずの孤独は

どちらが辛いのだろうとか

出る事の無い答えの中

僕は『与えられた』部屋に居る


どちらの僕の方が悲しいのか

どちらの方の僕の方がマシなのか

答えはきっとどちらも「否」なのだろうと


何処でもない場所にいる僕が小さく笑った

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