シナリオ

全てがシナリオ通りにはならないと思う

僕が描いた先の世界のようにはね


誰の書いたシナリオなのだろうと

僕はその本を手に取った

読めるはずだが 所々読み違えそうになる


あやふや過ぎるシナリオだが

僕はその通りに生きてきたような そんな気がする


このシナリオは誰のものか?


全てのシナリオは誰が書いたものか その賽は誰が持つのか

僕は知らないし君も多分知らない きっと誰も知らない

けれどこのシナリオはきっちり 何処かで決まっていた


この本の先を僕は見ることが出来なかった


いや見ることが叶わなかったのではない

僕のシナリオは此処で終わるからね


君のシナリオもいつかは此処で終わる


誰もがどの形であれいつかは此処で終わる


初めから決まっていた悔しいと思う人も居るけれど 

けどこれは初めからこれだけは決まっていた事


決まっていないのは途中の見えない道だったかもしれないけれど

この本には記されていた


傍らの誰かが温かい涙を見せてくれる 僕は満足するとても満足する

これはシナリオであり 自然な出来たアドリブだろう


僕舞台の終演は 涙と温かさで包まれていた

それだけで僕は満足だと思うよ

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