柚子音「やっと出番だね」鷹谷「来なくてよかったのに」
――何か聞こえる。何だこれ。めっちゃうるせぇ。まるで女子高生独特のテンションのやかましい声と大音量の音楽とその他もろもろの雑音が混じったみたいな音。――――あ、まるで~みたいじゃねぇ、実際そうだ。だって鮮明に聞こえるもん。はっきり聞き取れるもん。何が起こってるんだ?だいたい何処だここ?俺っていつから椅子に座りながら寝てたっけ?
―――――あぁ、そうだった、確かあの馬鹿(香)と話しててそんで嫌な予感がして警戒して誰かの声がして気づいたらこうだ―――
「いや、こうだじゃねぇよ!!!!!!!!!!!!」
怒号と共に意識を覚醒させ目をこじ開ける。その瞬間視界に飛び込んできたのはおそらく学園内の1室であろうはずなのに電飾やミラーボール(どこから持ってきたのか)、その他もろもろetcを用いてそれを理解するのに時間を要するほどにカスタマイズされた教室(笑)で香と見知らぬ少女(多分後輩)が再生機器から流れ出す大音量のヘヴィメタルにあわせてヘドバンをしている姿、そしてそれを楽しそうに眺める2人の男女、そしてそれを気にも留めず1人の少女が何かの実験(?)をしているという光景だった
―――あ、これは夢だな
あまりに混沌とした風景を前に鷹谷はそう判断し、再び眠りについた
――――――あれ?駄目だ、おかしいな一切音が途切れないむしろどんどんヘヴィメタルの音楽がでかくなっていく…… ……ちょっ…うるせぇ、マジでうるせぇ。耳痛てぇ。……いやホントに誰が音量上げてんだよ。ん?あ、これ上げてんじゃなくて近づいてんじゃないか?ちょっと、マジで止めろ。嫌がらせかよ。……………嫌がらせだろ。だって顔に再生機器当たってるもん。ほんとうるせぇ。鼓膜破れる、顔に押し付けるな、いやだからホント――
「いい加減にしろゴルァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
苛立ちが頂点に達した鷹谷が再び怒号をあげ、怒りと共に目を見開く。
案の定、香が鷹谷の顔に音楽再生機器(ステレオ?コンポ?ラジカセ?知らねぇよ疎いんだよ)をぐりぐり押し付けていた。無論ヘヴィメタルが大音量で流れている。ちなみに2曲目に入った模様。
そしてその横に香と一緒になってヘドバンをかましていた後輩と思われる少女、ポニーテールが特徴の元気そうな娘だ。
その二人より少し後ろに座っている二人(おそらく高等部の3年)、片方はやや長めの髪をした穏やかそうな青年。もう片方は腰まである髪を後ろで束ねた女性。人当たりの良さそうな雰囲気だがどことなくバカの代名詞(香のこと)と同じ危険な空気を感じた
さらにその後ろで黙々と何かの実験をしている少女。腰まである長い髪が特徴だ。身長から見て、おそらく中等部の1年生か2年生だと思われる(凪波学園は中高一貫となっている、一部を除いて部活も同様)
「Good Morning☆よく眠れた?」
「名状しがたく不快な眠りだった。」
香がいっそ憎たらしい程に『いつも通り』に喋りかけてくる。殴りたい、この笑顔。
「つーか何なんだよこの状況。説明しろよ」
鷹谷が至極当然の質問をする。無論いつもより機嫌が悪い
「あ、それについては俺が」
さっきまで後ろで座っていた青年が近寄ってきた
「静寂鷹谷くん、だね?」
「はい、そうですけど」
彼が穏やかな口調で問いかけてきた。どっかの誰かと違って知的な印象を受ける。どっかの誰かと違って。大事な事なので二回((ry
「僕は
「え?あぁ、はい」
実際は少しどころじゃなかったと思うのだが。何せわずかに警戒→即気絶である。
おそらく薬品類を嗅がされたと思うのだが殴られて昏倒させられるよりはマシだと思わなければならないパターンだろうか。
後部活とは一体何部なのか。何か色々説明をすっ飛ばされた気がしたが話の腰を折るのは気が引けた。とりあえずそれは後で聞けばいいだろう。それよりも
「あの、久我先輩(でいいんだっけ?)、『俺と部長』ってことは久我先輩が部長じゃないんですか?」
「あぁ、俺は副部長だよ。部長はこの人だよ」
といいながら謙太郎は先程まで自分のいたあたりで今も座っている女性を指す
「部長で高等部3年の
こうして喋ってる様子を見る限りでは普通に優しそうな人に見える。さっき感じたバカや危険人物特有のオーラは気のせいだったのだろうか
「あぁ、はい…………………あれ?」
にこやかな表情と優しげな口調であまりにも自然に言われたせいで気づくのが遅れたが今この人は少しだけ妙と言うかやや不自然な言い回しをしなかっただろうか?
「……こ、これから?」
「そう、こ れ か ら 、ね」
予期していたかのように(当然といえば当然だが)柚子音は答える
何故だろう、この先の展開がなんとなく読めてしまう自分が憎い
「静寂鷹谷くん、私が君を呼んでもらった理由はひとつ。君にお願いがあるんからなんだよ」
そういうと彼女はこちらに人差し指をこちらに向け、あまりに簡単にその「お願い」とやらを口にした
「君、この部活―――――『情報部』の
「……………は?」
いきなり何を言い出すんだこの人、とか元の部活を事情があって辞めてきたのとか聞いてないのか、とかやっぱりこの人も変な人だった、とかそういや今何時だよとか色々思うことはあるのだが1つ、何より思うことは――
情報部って………………何?
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