1-2
「ねぇ…さっき…家族のこと忘れてたんだけど…母に話すべきかな…」
その日の夜、彼女からそう言われた。
「一応話しときな?」
「う、うん…何て言えばいいのかな…?そもそも…なに話すんだっけ?」
俺は彼女にそう訊かれてどういえばいいのか分からなかった。
「んー…永久ってわかる?わかったら永久に変わってくれる?」
俺は彼女がもしかしたら忘れているかもしれないと思いつつそう訊いた。
「うん、わかった。」
「…酷いな…」
永久が変わってすぐそう言ってきた。
「かなりか?」
「あぁ…」
永久がそう答えると俺は不安なことを一つ永久に訊いた。
「俺のことを忘れる可能性もあるよな…」
「…あぁ…俺たちのこともな…」
「だろうな…お前らは忘れないのか?」
「…」
俺が訊くと永久は無言で答えてきた。俺はそれを肯定として捉えた。
「だろうな…遥香が忘れればお前らも忘れてしまう…か…」
「…遥香が俺らのことを忘れたら俺らは消えてしまうだろうな…」
「…そうか…」
俺は遥香の記憶が消えてしまうことと永久たちが消えてしまうことが嫌だと思った。
「…記憶のこと俺から話そうか?」
俺がどうして遥香がこんなに苦しまなければいけないのかと思っていたらそう訊いてきた。
「正直に話して遥香の親の反応で遥香が壊れる可能性は?」
「ある」
(だよな…正直話して信用してもらえるのかもわからないしな…でも…話さないといけないだろうしな…)
「…お前らから話してくれるか?」
俺は悩んだ末に永久に頼んだ。
「わかった」
「ごめんな…」
俺は親友にこのことを頼まなければいけないことが苦しかった。
「大丈夫だ。少し待ってろ」
永久がそういうと少しの間連絡がこなかった。
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