第三部-終章 『インカムプリート・コンバッション』
流輝が『ノーデンス』を倒した瞬間、
ミリア達の邪魔をしていた『ナイトゴーント』達が一斉に動きを止めると、両手をだらんとしたまま宇宙空間に漂い始めた。
実はこの『ナイトゴーント』たちは『ノーデンス』の命令で動いていて、『ノーデンス
が止まると一斉に止まる仕組みになっていた。
これは『ハスター』に応用されている技術である。
その為、邪魔がいなくなったミリア達は残った最後の『ガタノトア』を落とすと、『ヨグ―ソトース』に近づいて行った。
一度ミリア達を収納した『シュブ・ニグラス』は『ヨグ―ソトース』に近づいて行った。
そして、『シルバーキー』を起動させると『ヨグ―ソトース』に穴を開けさせようとする。
しかし、無理だった。
ミリアは『ナイア』のコクピット内に座ったまま、指令室にいるダーレスに向かって本気で怒鳴りつけた。
「ダーレスさん!!駄目ってどういう事ですか!?」
『分からない、向こう側に通じないのだ』
『どーいう事だよ、早く話せ』
アリサも苛立っているらしい、言葉には多分にとげが含まれていた。
しかし、ダーレスは動揺せず話を続ける。
『いま、立てられる仮説はこうだ、向こう側の『ヨグ―ソトース』が破壊され、穴をうまく作ることができなかった』
「じゃあ、こっちからあっちに穴を新しく開けらばいいでしょ!!」
『駄目だ、それは失敗する可能性が高い』
『どうしてだよ』
「そうですよ、どうしてです」
『いろいろあるのだよ、それに異世界『ゾス』につながるとは限らない』
「……それは……」
『正論……だな』
二人は黙りこくる。
ダーレスのいう事がとても重く頭にのしかかってくる。胃が痛くなる、事実に押し殺されそうになる。
二人は一言もしゃべることなく黙りこくると、いった。
「じゃあ、流輝はもどってこれないってこと?」
『…………』
二人はその後しばらく黙り続けた。
しかし、何もしようがなかった。
そのまま時間だけが過ぎて行った。
やがて、『シュブ・ニグラス』は地球へと戻って行った。ダーレスが何かを言っていたが全く持って何も聞こえなかった。
青い、自分たちが守った美しい星がだんだん大きくなっていく。
それをちらりと見たミリアはもう手遅れだということを完全に理解した。それはアリサも同じらしい。
アリサは大きく腕を上げると椅子の手すりを殴りつけると、そのまま唇をかみ続け、怒りを必死に堪えていた。
怒っても何にもならない、アリサはそれを理解していた。
しかし、ミリアはそこまで大人では無い。
顔を大きく上げ、グリップを握る潰す勢いで握ると、そのまま大きく顔を上げて叫んだ。
「クソ野郎がぁっ!!」
それはいったい誰に向けたものか
ダーレスか
流輝か
はたまた自分か
もしくはそんなこと関係ないか
ただ怒りをぶつけたかっただけかもしれない。
自分の気持ちのせりがつかないまま、ミリア達は帰ろうとしていた。
その頃ダーレスは、いままでにないぐらい顔を歪ませると呟いた。
「最悪のパターンだ……」
それも考えうる限り
最も最悪のパターン
ダーレスは『クトゥルフ』を諦め、地球に戻るよう命令を飛ばすとそのまま延々と家が得ることを止めなかった。
それほどまでに考えることはたくさんあった。
ミリアとアリサのアフターケア
そして、これから起こるであろう未来への対策
『イカン』拡大の方法
やることは山ほどあった。
しかし、それ以上に『クトゥルフ』の喪失は痛かった。
「クソッ……」
ダーレスは思いっきり悪態をつく。
しかし、余りスッキリとしない、逆にイライラが募るばかり、人間がやるようにしてみたらそれが消えるかと思ったら、そんなことは無かった。
息場の無い怒り自身の対ネイで駆け巡るばかりだった。
「クソッ!!」
もう一度、悪態をつくと今度は立ち上がる。
そして地球の方を見ると言った。
どこまでも美しく
罪にまみれてしまった青い星を見る。
そして言った。
「世界の終り、か」
Story than this person is in God end , but the beginning of hell from here
To be continued……
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