第25章 巨大な敵を、撃て!
ジン達もガルダも目をつぶって覚悟を決めた。ザルティメンデは異形の姿の中で唯一理解可能な「変換装置」らしき口部をジン達の方へ向けた。
ウィル、アイル「・・・トキノリツヲツカサドリシモノタチヨ・・・モノヲツクリシモノタチヨ・・・ワレラナンジラニアラガウモノナリ・・・ワレラノミライニタチハダカリシモノ・・・コノチヨリキエヨ!!!」
ウィル「グランドクロス!!!」
アイル「ダークブリンガー!!!」
ウィル、アイル「フュージョンスペル ブラックホール!!!!!!!!」
空が、地が、空間が、全てが激震していた。そして、ザルティメンデの遙か上空に巨大な黒い球体が出現した。その球体は軌道上の空間を削り取りながらゆっくりとザルティメンデに近づいていった。
咆吼するザルティメンデ! しかし球体はザルティメンデをゆっくり包み込むと、今度は超高速で空へ、そして宇宙へと飛んでいき、そして消えていった。その軌道上は、真っ黒の筒状に変貌していた。
ザルティメンデのいた地面は大型の半球状にごっそり無くなってしまった・・・。ジン達はいつの間にか地上に降りていた。そして目を開け、地上に足をつけた。
ジン「こ、これがウィルとアイルの・・・」
クレス「か、覚醒能力・・・」
ドクター「い、いや、融合能力だ・・・」
ガルダ「こ、こ、こんな・・・ことが・・・ありうるのか・・・浄化の光が・・・消滅した・・・」
ジン「ガ、ガルダ・・・終焉を作るモノが無くなったと言うことは・・・」
クレス「みんな・・・・生き残れる・・・・の?」
ガルダ「い、いえ、そう断言は出来ません・・・。奴は単なる機能を持った作り物です。別の役目を任せられるモノを作ればいいだけですから。それを作る、いや、この世界を律しているのはメビウスシステム。その装置がある所には、アークなどの『管理する物達』しか入ることが出来ません」
ジン「そ、それじゃ、俺達は手出しできないのか!? あんな化け物、また出てきたら、今度こそ本当に終焉だぞ!」
ガルダ「いえ、メビウスシステムを使ってデバッグするためには、通常の『制御モード』から直接手を下す『強行モード』に切り替えなければいけません。おそらくアークは機能の一部になって、この事態を見ていたでしょう。そうなれば、今のメビウスシステムは『強行モードの方のメビウス』(MEBIOUS)となっているはずです。“メビウス”は直接攻撃能力を有する変わりに遠隔操作ができません。必ず私たちの世界のどこか、いえ、近くに出現するはずです」
ジン「いわゆる、TVゲームの“ラスボス”ってやつか?」
ガルダ「ラスボス? なんでしょうか、それは?」
ジン「いや、なに、俺の出身国で、はやっている遊具の1つでな。その、不謹慎なんだが、こういう事態を“シミュレート”して遊ぶモノで俺も結構はまったんだ。“ラスボス”ってのは“ラストのボス”の略で、最終的な黒幕みたいなやつかな」
ガルダ「そうですか、そう言う意味ではまさしくその通りです。しかし、これは“シミュレート”ではないです。“実戦”です」
ジン「わかってるよ! ただ俺は自慢じゃないが結構うまかったんでな、そういうラスボスには負けたことはねーぞ! 現実の今だって、ぜってー負けねえ!」
ガルダ「そうあって欲しいモノです」
???「さて、そううまくいきますかな?」
ジン「!!?? この声、てめー! アークか!?」
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