第23章 ギルド本部

(ギルド本部 ある場所)


アーク「この時代のギルド管理者はお前か。わかっているな。お前らは次の周期のメビウスリングでも引継の任があるのだからな。事が起こったら例の場所に避難しろよ」

ギルド管理者「了解しております。例の起動用コードも解析済みで、例の場所への転送装置も完成済みです」


アーク「一応確認して置くが、コードは「究極」を意味する言葉3つだからな」


ギルド管理者「は。ところでアーク様は今度はどちらへ」

アーク「私はメビウスシステムのメンテナンスがあるので先に例の場所に行っている。では、後は頼むぞ」

ギルド管理者「は」


 そう言うとアークは近くの六亡星が彫ってある床の中心に乗り、消えていった。


(ギルド窓口)


ジン「職業バッジの受付はどこだ?」

受付嬢「こちらになります。担当は私です」

ジン「それなら話は早い! 全員グレード10になったぞ。とっとと処理してくれ」

受付嬢「了解しました。その件の場合、ギルド管理者が直接お会いになります。それではこちらへ」

ジン「あ、ああ」


 ジン達は奥の部屋に案内された。床に六亡星が彫ってある不思議な部屋だった。


ギルド管理者「登録者の皆様、本当にお疲れさまでした。早速皆様全員の職業バッジの返却をお願いいたします」

ジン「え? そんなこと契約書に書いてなかったぞ!」

ギルド管理者「それを書いたら皆様、職に就かなくなってしまうでしょう。ご安心下さい。そんなバッジより遙かに綺麗で名誉のある「マスターバッジ」を交換で差し上げますので」


 と言って、綺麗な箱から5つの輝くバッジを取り出した。しかし・・・


ジン、アイル、ドクター「それはできねーな」

クレス、ウィル「私たちも出来ません」

ギルド管理者「? この手続きが済みませんとこちらとしてもあなた方を「マスター」として登録できないのですが」


ジン「こいつは単なるバッジじゃねー、俺達を支えてきた大切なモノだ! しかも返却なんてそんな大事な事を契約書にちゃんとかかねーような所に預けられるか! 虫が良すぎるぜ!」


ギルド管理者「他の皆様も同意見のようですか。それではそのバッジはいりません。こっちには、貴様らの様な屑バッジ等無くても十分『終焉の時』を迎えられるだけの“白いバッジ”は数え切れない程揃っているからな! お前らは単なる『ついで』だ!」


ジン「な、なんだと! てめぇー! もういっぺん言って見ろ!」

ギルド管理者「黙れ! 貴様らがいくら『イレギュラー』でも、メビウスリングは永遠なのだ! 今年9999年が終焉の年で周期を+1して、また0年に戻るだけだ!」


ジン「て、てめえまで『アーク』と同じ様な訳わかんねーこと言いやがって!」

ギルド管理者「な! アーク“様”だ! 撤回しろ!」

ジン「うるせー! 要するに、てめーらまで、“悪玉”だったんだろーが! アークの前哨戦だ! 消えて無くなりやがれ!」


ギルド管理者「こ、この屑ども! 貴様ら、いや、この世界全てを浄化してくれるわ!」


 そういうと管理者は体の回りに黒色のバリアーを張った。そしてなにやら呪文の様なモノを唱え始めた。


ギルド管理者「究極を表せし3つの言葉よ、今、その封印を解かん・・・『ゼット(Z)』、『アルティム(ULTIM)』、『エンデ(ENDE)』・・・復活せよ! 浄化の光『ザルティメンデ(Z・ULTIM・ENDE)』!!!」


 そう言うと、その部屋だけでなく、ギルド本部周囲約10kmが激震に包まれた。「覚醒の刻」の揺れ等、比較にならなかった。


ガルダ(ま、まずい! アークめ! デバッグと終焉をまとめて行うつもりか!)


 それだけではなかった。ギルド管理者は巨大化と同時に異様な姿へと変わって行った。


ギルド管理者「ぐふぉ! ア、アーク・・・さま・・・、ま・・まさか・・・奴の・・・復活・・媒体は・・・わ・・た・・し・・・・ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


ガルダ「皆さん! とにかく脱出です! 私の背に乗って下さい!」

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