第19章 輪廻の儀式

 ゾディは皆をアイルから少し遠ざけた。そして机などを横に倒して、念のための盾を作り、皆はそこからのぞいている様に告げた。そしてゾディ自身が、近くの棚からなにやら液体の入った瓶と、先に黒い炭が付けてある杖を取り出してきた。


 次に、アイルを中心にして、その杖で六亡星を描いた。これで下準備は終わった。次は儀式の核の行程だ。


 まずアイルの頭に、持っていた瓶から液体を少しだけふりかけて、次に手をかざして、こう唱えた。


ゾディ「レバルス レシュ アン コフ」


 すると、頭の周りに光が集まってきた。次は首にも同様にした。


ゾディ「フロル ヴィシュッダ」


 同じようにそこが発光した。そして次が右手。


ゾディ「モーヴェ リルト ヨッド」


 アイルの右手が光る。次が左手。


ゾディ「モーヴェ レフ ヨッド」


 また発光した。次に腰部と股の間、ちょうど急所に近い部分。


ゾディ「アロード エロース」


 同様だった。次が右足のひざ。


ゾディ「ユグドラーシル リルト レグ」


 次が左足のひざ。


ゾディ「ユグドラーシル レフ レグ」


 最後に胸部。ちょうど心臓の位置である。


ゾディ「ベアト イェソド デ マナ」


 その後、瓶と杖を置いて、両手をアイルの体の上に掲げて、なにやら長めの呪文を区切りながら唱えた。


ゾディ「アスキ カタスキ ハイクス テトラクス ダムナメネウス アイシオン」


 先ほど書いた六亡星が線に沿って、ゆっくり点滅し始めた。


ゾディ「レスタルト フロ アイン ソフ アウル」


 六亡星のアイルの頭がある位置の三角形部分が光り出した。


ゾディ「セト アヴァローキテーシュヴァラ」


 今度は右腕の部分。


ゾディ「レタルン エイドロン ト ヴァハナ 」


 次が左手。


ゾディ「シーセ イーツ アヴィーシュ アガペー」


 次が股の部分。


ゾディ「アージャ ノイ アバンシ」


 次が右足。


ゾディ「ゲーブ ウハネ」


 最後に左足。これで六亡星全ての三角形部分が輝いていることになる。そう唱え終わった後、少し後ろにさがって、最後にこう叫んだ。


ゾディ「アポテレスマト!! アイル!!!!」


 六亡星がさらにいっそう輝きを増した!。そして、アイルの体は宙に浮き、ゆっくり回転していった。


ジン「すげぇ」

クレス「アイルさん、頑張って!」

ドクター「ここが正念場だ!」

ウィル「お願い!」


 数秒後、アイルは、また床の上に戻った。光も消えた。ゾディはフラフラの状態で倒れそうになったが、ガルダが支えてくれた。


ガルダ「ゾディ様大丈夫ですか?」


ゾディ「・・・・・大丈夫です。「輪廻の館」での修業時代以来なので、少々体に負担があったようです。それより、これからが勝負です。どのような結果が待っているのか、全くのランダムなのですから」

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