第24話 枯原やレンズは動くものを待つ
「鷹」は藤田湘子の逝去によって小川軽舟主宰による新体制に移ったが、それによって私の名が再び浮上するということはなかった。しかし、私はこの年から時折伊沢惠の句会に復帰するようになっていた。私は藤田湘子の期待を裏切った。その上、最大の恩人である伊沢惠まで裏切ったままでいるわけにはいかなかった。実は伊沢惠の体の中では、この時すでに病がだいぶ進行していた。私もそれを知らされていた。私には、もうあまり時間が残されていなかった。
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