第17話 枯原や進路得難し信得がたし

その年の新人賞を私が逃してから、藤田湘子は私への接し方を硬化させた。まず、あまり私と目を合わせなくなった。「鷹」事務所でも句会場でも、私が近くへ行ってもまるでそこにいないかのようにあしらわれた。そして時々、伊沢惠を通して私へ対する苦言が伝えられるようになった。ある時、伊沢惠が大変言いづらそうに私に告げた。あいつはいつも暗い顔をしている。句会の後の懇親会には来させないように。私は藤田湘子から浴びせられた言葉よりも、伊沢惠の口からそんなことを言わせなくてはならなくしてしまったことの方が、ずっとつらかった。

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