第18話 日を閉ざす雲の徹底枯野原
同じ二〇〇二年に、「東京新人会」の幹事も突然解任されてしまった。それは全くもって唐突な、何の前触れもないことであった。「鷹」に入会してからの私にとって、「東京新人会」は何よりも大切な句会であった。私が最もくつろぎ、闘志を燃やしている句会であった。私の活力の源であった。その会を運営することは、私にとっては生き甲斐と言ってもいいほどのことであった。過不足なく取り仕切れていると思っていた。藤田湘子からもそれをねぎらう直筆の手紙をもらったこともあった。自信を持っていた。しかし、それがある日を境に突然奪われてしまったのだ。そうなると、もはや「鷹」の事務所に行くのも気が重くなってしまった。私は翌年三月の大学卒業、就職にかこつけて、「鷹」の編集部を辞した。藤田湘子の指導句会からも、自然と足が遠ざかった。悪いもので、ちょうどその時期は、ある総合誌で私が巻末の一欄を担当させてもらい始めた時期であり、総合誌から作品提出の依頼を貰えるようになり始めていた時期でもあった。そんな時期と、藤田湘子から突き放された時期とが重なってしまったことは、私にとって不運というより他なかった。
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