第11話 枯原の密度いはんや我の密度
二〇〇〇年の夏ころから、藤田湘子に勧められて「鷹」編集部で校正の手伝いをすることになった。毎月印刷所から事務所に送られてくる「鷹」のゲラに、漢字などの誤りがないかを、原稿と照らし合わせながら確認した。恐らく藤田湘子の構想としては、ゆくゆくは私を「鷹」の編集長に、という考えがあったことだろう。私も、藤田湘子の言葉の端々からそれを感じ取っていた。だからこそ藤田湘子は、早くから私を編集の空気に触れさせたかったのだ。しかし、物事はなかなか思うようには進んで行かなかった。
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