第12話 けふと明日さかひの昏し枯野原

二〇〇一年一月号の「鷹」で、私はその年の「鷹新人賞準賞」を与えられた。と同時に、「鷹」の同人に推薦された。「鷹」同人への道は非常に狭き門であった。しかし何とかしてその門を通過しないことには、私は到底一人前の作者にはなれないと信じていた。だから一日も早く同人になりたいと思っていた。入会から二年、ちょうど二十歳になった年に、念願だった同人に推薦された。伊沢惠も我がことのように喜んでくれた。大船の指導句会の後で、身内ばかりの小さな祝いの会を開いてくれた。これで私もやっと、本当の意味での「鷹」の会員になれたのだと、しみじみと実感した。

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