第4話 枯原に靴が片方だけ嗤ふ
藤田湘子の指導句会には、毎月二百名以上の門下生が集まった。その中でたった一人、私だけが二十歳にも満たない若造である。当然ながら私は衆目の的となってしまった。毎回、色々な方に紹介をして頂いた。若い私は、それらの方々に失礼のないよう、名前を覚えるのに必死だった。そして紹介された中の一人に、伊沢惠がいた。伊沢惠は髪が短く背の小さい、比較的ふくよかで目の優しい女流だった。最初にどんな会話がなされたのかは分からない。しかしその次の月から、大船で開催される伊沢惠の指導句会に出席することだけは、すぐに決まったようだった。
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