更待

おはようございます。今日の月の出は二〇時一〇分。


最近の月はお寝坊さんですね。今日の天気は薄曇り。白く薄い布のような雲は、風に乗って足早に空を流れてゆきます。


ようやく顔を出した月も、どこか朧気な表情をしているようです。晴れの夜の月は明るくてとても綺麗ですが、雲や涙で滲む月はどこか胸の奥が締め付けられるような気がして、私はいつも思いを寄せるのです。


そうそう、今宵は先日いただいた本を読むことにいたしましょう。冬の街を舞台にした切なくて優しい物語。私がこの街で迎えるひとつ先の季節には、いったいどんな景色があるのでしょうか。


灯した明かりは浮かぶ月よりずっと明るくて、それでもたまに本から視線を外し仰ぎ見ると、まばたきをするように月が雲で見えたり隠れたり。


月が薄い雲でそっと目蓋を閉じるように、朝を迎えても沈まぬ月を思い、私も眠りにつくのです。


今日の月の入りは一〇時一三分。おやすみなさい。

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