立待

おはようございます。今日の月の出は一八時一二分。


空は次第に夕闇を迎え、西の地平へ日が沈んでゆきます。染まる空の反対側、月が地平から昇ってくるのを、私はぼんやりと立ちながら待っていました。


少し欠けた月は、無欠な満月よりもどこか親しみやすい気がして、欠けてばかりの私はそんな月に密やかな親近感を覚えるのです。


お気に入りの懐中時計。竜頭をかりかりと巻いて、その動きが止まらないように。私が生きた時間よりも長く時を刻んできた時計は、今私の手の中で、私と同じ時の流れに乗っていることでしょう。やがてその短い針が九を指す頃。秒針がかちかちと進む微かな音に合わせて足を踏み出せば、まるで私が時を刻んでいるかのようです。


小さな一歩を重ねれば、いつか遠くのどこかへ辿り着くこともできるでしょうか。それとも月の小さな満ち欠けや、時計の秒針が同じところをくるくると廻るかのように、同じところに帰ってきてしまうのでしょうか。それはそれで良いか、なんて。


今日の月の入りは七時二六分。おやすみなさい。

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