不慮の事故に遭った少年、彼が目覚めると世界は崩壊していて――。生き残った人類、それらを喰らう異形の者達。終末モノとして壮大であり、設定や文章に破綻もなかったので、スムーズに読み終えることができました。
単に『人類を守るために愛と勇気でモンスターを倒す』といったチープな内容じゃなかったのが良かったです。ファンタジーというよりはSF寄りで、ガイア理論に基づいた滅亡と創世の物語でした。
ただ物語の核心に触れるまでが盛り上げ不足であると感じました。中盤辺りまでは主人公の蒼太の性格も相まって(キャラ設定には理由があるのですが)、読者が置いてけぼりになっている感じもありました。崩壊した世界に戸惑ったりする描写もあれば、より読み手もこの作品世界に没入できたと思います。
とは言え全体的に見てきれいにまとまっているので、世界崩壊系や終末モノが好きな方にはオススメできると思います。もっと注目されても良い作品だと思いました。