第3話 その1

「<E>に関する二次報告書」


作成者:■■■■■■   (←注釈:汚損していて解読不能)


 現地時刻1047、コモンタイム43E16。

 <E>の干渉後、F-02B2、通称『パンゲア』で喪失したと思われた<THライド>ならびに<マテリアルM>を、喪失最終確認ポイントよりW27K138Mにて回収。

 <E>の干渉と思しき痕跡は見られたものの、再度の干渉兆候はない為、予定していた帰投ポイントへ移動。

 現地時刻1418、コモンタイム66E423。

 現地人による不測の量子層干渉が発生。

 特例処置256に基づき、両基を人道処置にて放棄。

 この放棄による<E>の干渉は現段階では確認されない。現地人による若干の問題は残されたものの、無事放棄出来たものと見なす。



 <M>

 人工細胞培養基は、主に水分をマテリアルとし、有機的対象物の有機再生補助を目的とする。理想的水分は海水であるが、通常の水分を<T>によって生命スープ化するも可能。時空隔絶された『パンゲア』での使用は水分限定とする。

 <T>にメモライズされた有機敵対象物は、<M>内部で有機錬成される事で最終的に生機融合体となる。生機融合体に関しては、F01にて観測されたものを参照。

 錬成中の外殻機関は有機的対象物の防殻機能を有し、稼動に必要なエネルギーの放出を押さえる。

 外殻機関の構造に関しては、極力、放棄し投与した現地人の特性が反映される。

 今回投与した現地人は、現地有力者の娘。但し、<T>と<M>の詳細な説明が正確に伝わらず、有機敵対象物を一時喪失。この件に関する始末書は、先に提出した2P事件にて報告に換える。

 内部に組み込まれているバイオマテリアルMA製人工筋肉の化学反応によって各部機能。最大筋力は<T>にメモライズされた有機的対象物の量子層数値によって変化。今回のケースでは、10代前半の、所謂少女のそれである。成長期の為、数値の変動幅は予測不能。<E>のケースによる数値も不明。



 補足として、コモンタイム+180より、<E>ならびに<T>、<M>の、『パンゲア』内での活動を無期限監視を開始とする。この監視活動による特化行動範囲は、『パンゲア』内に限定。監視の終了は両基の活動終了をもってとする。応援要請に関する条項は規定通りとする。



 PS.ミク、ペリーローダンの新刊は当面代わりに買っといてくれ

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