第20話
*
「あほか…!」
本当のことを全部ぶちまけた時、佑樹から返って来たのはそんな言葉だった。
「そ、そりゃあそう思うかもしれないけど…で、でも、私、本当に……」
本気で泣きすぎて、苦しくてうまくしゃべれない。
「おまえ、昔から超常現象とか信じないって言ってたけど、本当はめちゃめちゃ信じてるよな。
しかも、すっごい妄想族だ。
それは別に良いけど、今回のことは断じて魔法の木の実のせいなんかじゃない!」
「だ、だから…そう思うのは、あんたが魔法にかかってるからで……」
「そうじゃないって……
だって、俺がおまえのことを好きなのは、ずっとずっと昔…子供の時からだもん。
多分、初めて会った時からずっと……」
そう言うと、佑樹は照れくさそうにそっと視線を逸らした。
「え……嘘……だ、だって、あんた、私に何度も恋愛相談とかして来たじゃない。」
「ばか!本当におまえは鈍いんだから!
あれは、気を引きたくて…だな…
ま、おまえはヒデのことが大好きだったから、俺のそんな気持ちにも気付かなかったんだろうけど……」
「そ、そうなの…!?」
おかしい。佑樹のことは友達や弟としか思ってなかったはずなのに、なんだろう…このときめきは……
「あ、あのな。
俺、今月末にまた実家に戻って来るから。」
「え…?そ、そうなんだ。」
「だから……責任取って、付き合ってくれよ。
俺、魔法の木の実食べちゃったんだから!
おまえ以外、もう誰も好きになれないんだからな!」
「ゆ、佑樹……」
なんだ、なんだ…佑樹にしては、うまいこと言うじゃないの。
かなりキュンと来てるんですけど~…
佑樹は私の顔をじっとみつめて……
お互いの時が止まってるみたいなロマンチックな瞬間……
「……それにしても、おまえ酷い顔してんな…」
ぷっと吹き出して、佑樹は肩を揺らす。
「ば、ばかっ!」
恥ずかしくなって私はトイレに駆け込んだ。
鏡に映る私の顔は本当に酷い顔だったけど……
でも……とても嬉しそうに笑ってた。
~fin
告白は魔法のチョコで 神在琉葵(カミアリルキ) @rukii
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