第4話




「はは…はははは……」




駅からけっこう走って、やっと着いた旅館は、小さな画像で見たものとはずいぶん違って見えた。

旅館っていうよりは、どう考えても民宿だ。

まぁ、値段も安いし期待してたわけじゃないけど、5秒くらいはぽかんと口を開けてしまうような外観で……

中も外観から予想される通りのものだったけど、田舎のおばあちゃんの家に遊びに来たと思えばなんてことは…ない…多分…




食事は、なんと!民宿の家族と一緒にいただくといういまだかつて経験したことのシステムで、その料理は山の幸に溢れていた。

なんていうか…仙人にでもなった気分…?

すっごく身体に良さそうで…素材の味しかしない。




そして、温泉は大きめの家庭のお風呂って感じで……

窓はごく小さなもので、閉め切ってある。

私が想像してた温泉からの絶景は、どこにもなかった。




「はは…はは…はははは……」




私……何時間もかけて、こんな所まで何しに来たんだーーー!!




そりゃあ安かったわよ。

自然に囲まれた環境…まさにその通りだ。

自然以外なにも見当たらない。

静かでのんびりしたい方向きとも書いてあったわ。

静かすぎて、落ち着かないけどね…




それにしても、まさか、こんな……




最悪だ……




(奈津美の奴~~!)




今頃になって、奈津美への怒りが再燃してきた。

だって、こんなことになったのは奈津美のせいなんだから。

奈津美とは入社してからずっと仲良くして来たのに……




親友だって思ってたのに……




「奈津美のばかーーーー!」





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