第2話 <蹂躙~世界は絶望に包まれた>

 『宙域通信“ギャラクティカ”ってなんやねん?!』……とのツッコミ同様に、歴史が長いってだけで地球代表と名指しされた、平和ボケ国の意向もスルーされ。

 正義大好きな国主導のもと。全世界の首脳陣を集めたサミットが開かれた。

 

 開催から一週間。会議が踊れば、現場も踊った。

 

 とある世界の真ん中を自称する国は、最古の歴史を持つのは我が国だと言い出し会議を混乱させ。

 とある躯は酒と酒と酒で出来ていると揶揄される、試される大地の国は来る日に備え、全力で軍拡を始め。

 とあるブラックジョークと不味い食事が自慢の、自称紳士の国は、ミステリーサークルを国家主導で作り、独自のコンタクトを試みて。

 とある身分差別が激しい国では、そんなこと知ったことじゃねえとばかりに内乱に明け暮れ。

 とある移民問題に苦しむ、酒と腸詰め肉の国は今度こそ勝ち組にならんと奮起し。

 とある国は、名指しされたのに平和ボケは黙ってろと意向をスルーされ涙目となり。

 とある国のUFO愛好家は、怪しげな儀式を行っては、世間からも、異星人からもスルーされた。

 

 各国の国益と思惑が絡み、会議は荒れに荒れ……。

 

 そして、とある小国が、先手必勝とばかりに、いきなり核ミサイル宇宙戦艦にぶち込むと言う暴挙に出るまで、無駄話は続いた。

 

 ――――

 ――

 ―

 

 独裁国家である、とある小国の暴走の裏には、とある大国の影があった。


 適性宇宙艦隊が、地球外の中域で待機している今ならば、核攻撃を敢行しても、地上に問題はないはずだ……。

 

 いざとなれば、小国の暴走として遺憾の意を表明すれば良いだろう。なあに最悪、小国を地図から消せば、相手も納得するはずだ……。

 

 それにそもそも、単なる核ミサイルが通じるとも思えない。

 

 だがもし、有効そうなら、我が国の総力を持って参戦。撃破して技術を奪い。ついでに世界を……と言った都合の良い考えは肯定され、実行された。

 

 しかして結果は、無慈悲なものとなる。

 

 甘い野望ゆめは夢で終わり。辛い悪夢は現実と成った。

 

 「cfjmせlひ愚かな……fdgsgjfjdjyv所詮は未開人であり土人と言うことか

 「gjhg提督sthfdx対応はどうしますか?」

 

 「fjksld迎撃せ……xkぅいやdxydxh迎撃システムを切れ

  dhxここはdfhjd敢えてxhtkvxfhx直撃させよう

 「……ckfc良いのですか?」

 

 「っhvcf構わんよfhcdfそれとbhjヴjtx反重力バリアもいらん

  ―――fjdcjdcxjd旧世代の兵器などchjrfy直撃した所でchchgk意味が無いlxglfctgと教えてやるのだよ

 

 放たれた核攻撃は、余人の予想を裏切り、迎撃されることもなく銀河帝国軍の戦艦一隻に直撃。


 空を割くように夜間に地上から放たれた、地球人類科学の結晶は夜空に小さな花火として数多の人々に観測された。


 

 そして……。


 

 「なん……だと?」

 「おぅ……ジーザス」

 「……おい、ウオッカ持って来い!」

 「あいやぁ……」

 「ぱねぇ!?」

 「北の国からICBMもどき発射、なう。

  ―――追伸。なお、相手は無傷な模様ww」

 「ぅゎょぅι゙ょっょぃ」

 「外れたんだよな? な?」

 「あれって、核? え? マジ? 無傷? え? え……!?」

 「誰かウルトラな星人か、スーパーな男を呼んでこい!」

 「だ、大丈夫! 今頃、敵宇宙船を奪った大統領がアップしてるはずさ!」

 

 それらを目撃した世界中の人々は驚愕した。

 

 「バカな!? 無傷だとっ!!??」

 「いえ……表面の装甲に僅かな凹みを確認。まるっきり無効と言う訳ではなさそうです」


 「バカが! その程度じゃ無傷と変わらんわっ!! ……分析結果はまだか!」

 「暫定評価ですが……ツアリーボンバー級を成形炸薬式に魔改造し、ぶつければ、拳大の穴が開く計算になります」

 

 「…………撃墜に必要な数はいくつだ?」

 「敵宇宙戦艦の内部構造が、既存の宇宙船と同等であると仮定して、1千と12発で撃沈となります」

 

 「我が国……いや、全世界の生産力を持って、三週間以内に用意できる数は?」

 「他国の生産力は推定になるので、正確性には欠けますが……およそ22発が限界かと……」

 

 「……絶望か」

 「はい、絶望です」

 

 実行犯の軍事関係者は、もっと驚愕した。

 

 「gjfさてdghjlszxでは報復といこうか……」

 「cvtgjcdj反物質爆弾“星砕き”fgjdjdを使いますか?」

 

 「glfckcjg我々の目的はjjgmcjdx可能な限り“無傷”でgjhdg有資源惑星xhjkyhcjを手に入れることだ―――gjdhdskv壊してどうする

 「ghfgjhgですが提督yhdfどのみち我々のwhfvkmv居住に適するようにgchxhxテラフォーミングdxjycするのでは?」

 

 「そうだ、だから壊してはダメだ」

 「ならば、中性子止揚爆弾を使いましょう、あれならば地表を一掃できます」

 

 「……副官。お前……単に対惑星破壊兵器を使いたいだけだろ?」


 被害者? は、別の意味で己の副官に驚愕していた。

 

 ―――

 ――

 ―

 

 結論から言えば、核攻撃を敢行した国は、地図上からも、物理的にも消滅した。

 ついでに、それらを裏で示唆した大国にも甚大な被害が出た。

 

 「我軍に対する、組織的な敵対行為の発生を確認。

  それらの行為を我々……2525番太陽系方面軍は、地球人類からの宣戦布告と受け止め。

  

  現時刻を持って、我々全軍は、戦時戦闘体制に移行することを通告する」

 

 報復は迅速に行われた。

 

 敵宇宙船の一部が地上に降り立ち、四足歩行型無人殺戮兵器……通称“無塵くん”を世界各地にばら撒いた。

 

 全長3m程度の地球人から見れば近未来的な、自立式殺人ロボットはレーザー兵器を主武器として暴れまわった。

 

 当然ながら、各地の警察や軍隊やテロリストなどの武装勢力は抵抗。数万の内、数百体を撃破したが……敢え無く壊滅。

 

 異星人による突然の布告から、一ヶ月を待たずして地球人類は滅亡の危機に見舞われたのであった。

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