真桜の記憶~思い出~
いつもいつもすることは決まっていた。
小学生の頃は小児科の先生と毎日お喋りをして、小さい子たちと毎日遊んだ。
遊んだ後は疲れがたまってしまわないように、部屋で本を読んだり勉強をしたりする。
それから、お昼ご飯はパンが多かった。売店でお母さんの買ってくるりんごパンはほんのり甘くて大好きだったし、牛乳とりんごヨーグルトを一緒に食べるのが何より楽しみだった。
窓から見える小学校のグラウンドにはサッカーをいつも楽しそうにする男の子が見えた。私の部屋は3階で1番端っこの場所だったから、誰よりも近くで見ることができていた。
「シュートっ!」
気づくと私はその少年を眺めながらゆっくりするのが日課になっていた。
ゴールまで少年がボールを運んでシュートを決めた時は、窓の中からだったけど一緒に喜んだ。最初は私の存在なんて知りもしなかっただろうけど、私の視線に気づき始めたのか彼もたまに見てくれるようになった。すごくうれしかったのを覚えている。
そして、私はいつの間にか彼に夢中になっていたことに気づく。
「これは・・・。憧れ・・・?」
この気持ちがなんなのかなんて小学生の私にはわからなかった。大人のように素直に言葉にできない私はただ戸惑うばかりだった。
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