第111話 交戦準備
南からモンスター、西都市は西南西。
突っ切れるか? 群れを街まで引っ張ることにならないか?
そんな事を考えながらモンスターの様子をうかがう。まだ3マイルは離れているはずだ。こっちが移動しなければ10分かそこらで
まいったな。判断がつかない。モンスターがどんな種類なのか、こっちに向かってきてるのかどうかが分かれば多少はマシなんだけれど。少なくとも戦う準備をするかどうか決める事ができる。
「師匠、どうします?」
「下手に刺激したくはねえが。そうさな、ここで始末しておかないと西都市に影響が出る。住人が襲われたり、キャラバンが襲われたり。放置するよりはここで片付けておいたほうが後腐れがなくていい」
「なら迎撃の準備ですね。手榴弾は使えますよ」
「そんな危ないもん使うんじゃねえよ。せめて遮蔽物がある時にしておけ」
どうも手榴弾の出番はなさそうだ。
「それじゃT.A.R.で弾幕を張る準備はしておきます。この間作ってもらった30連マガジンの出番ですね」
「こんなに早くテストすることになるとはな」
「あたしはどうすればいいですか?」
「ん~。射程内に入ったらボルトアクションライフルでかたっぱしから撃っていいぞ」
「トラックは
「そうだな。俺たちはここに残る。騎乗してる若い衆は先に西都市に帰ってもらっておこう。ついでに援軍と弾を持ってきてもらえば楽になるだろ。おーい、ジャック!!」
ベック師匠はジャック・ムラタ達、若い衆に指示を出している。馬車と自動車のキャラバンはここで迎撃、騎馬隊は西都市に先に帰って兵力を呼ぶことになった。
じゃあ簡易陣地を、と思ったが身動きが取れなくなると困る。トラックの荷台は抗弾プレートが仕込まれている。いざとなれば立て籠もるなり逃げるなりできそうだ。といってもわざわざ西都市に群れを案内するのもシャクだ。
「西都市に逃げ込む場合を考えて見張り連中にも話を通してもらうさ」
ベック師匠は頼りになる。こっちが思いつくことくらいはお見通しなようだ。
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