5.
朝、私は昨日から一転して暖かな風が届くホールでエレベーターを待っていた。左腕の時計を確認すると、六時十二分。革靴のコンクリートを叩く音が徐々に近づく。念のため六時から待機していたものの、予想通りだ。
しょこらが宣言通り早めに家を出るとしたら時間はこの辺だろうと考えた。
これくらい親友なのだから分かる。
「……何をしてるの」
冷たく、呆れたような声が響いた。朝の光が、しょこらを照らす。
「おはよう、しょこら」
私は十三階のエレベーターホールで、笑顔でそれに応えた。
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