絶賛少女、野ばらくん(3)



シェリー先生は、文月くんを指して紹介します。


「こちらが、転校生であり、私のフィアンセとなった文月くんです」


文月くんの承諾も得ずに、とんでもない紹介をしてくれました。



こうして学校は廃校が決まりました。


きっかけは些細なものでした。

1人の教員の不用意な発言です。


シェリー先生が恐れ多くもチョコさんの恋人のことを自分のフィアンセなどと紹介し、その発言に”ちょっとだけ”イラッとしたチョコさんは、そのことを問題として理事会に取り上げ、もちろん理事長はチョコさんですから、シェリー先生はクビです。

婚約者もいない。職もない。といった調子で生活すらままならなくなってしまったシェリー先生は、実家の精肉店に戻ることになりました。


また、この事実がマスコミに取り上げられたことによって入学希望者はいなくなり、二年後の廃校が決定です。

在校生の多くも、学校のアイドルであるチョコさんがいなくなったことで転校を決意。

学校はほとんどもぬけの殻です。


そして誰もいなくなった学校には、生徒たちの撒いた花の種だけが残り、その後何年も、美しい花の名所として地域の住民に親しまれることとなりました。



第三章 絶賛少女、野ばらくん 完

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