第4話


わらわは海を見ることが好きでな。よく色々な海を見に出かけるのだ。ただ、ここの海は汚いな。ドロドロしていて気分が良くない」


「ドロドロ…?」


「気配が、とでも言えば解るだろうか」


「あぁ…」


 なんとなく理解できた。確かにここの海は雰囲気が良くない。もともとがこうなのか、自殺者が多いからなのかは定かではないが、後者のせいもあるだろう。


 あぁ、それにしても…。


「気になることがあるのですが」


「なんだろうか」


「あなたは、現代の方ですか?」


 自分でも馬鹿げたことを聞いているのは、承知だ。彼女はフッと笑みをこぼす。


「面白いことを聞くなぁ。そなた、気に入ったぞ!」


「……」


「妾はしっかりとこの時代に生きておる。…ただ、そなたとは時間の流れが違うのだ」


「というのは?」


「そうだな。ついて来い」


 彼女は海の方へ歩いていった。ボクは内心不思議に思いながらも、彼女についていく。


「あまり入りたくはないがな…」

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