第3話


「そなたはまだ20にもなっていないように見える。人間の一生など、長いようで短いのだ。気楽に考えるとよい」


「……」


「どうした?」


「…ボク、21です」


「……」


「……」


「…コホン、失礼した。しかし、その、あれだな、幼い顔立ちをしておるな」


「…よく言われます」


 ボクの身長は高い方ではなくむしろ低い方で、顔立ちも幼く、よく高校生に間違われるほどだ。今更間違えられたところで、気にしない。


「あの、ところで…」


「うむ、なんだ?」


「あなたはなぜここに?」


 一瞬、美しい顔が哀しみに歪んだように見えたのは気のせいだろうか。

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