第15話③ ロストバージン(もう一組も挿入したお話)

 寝静まってしばらくするとお約束?の夜這いタイム。

 ユキと海だ。

 タオルを頭に巻いて、鼻の下で結んだ泥棒スタイルである。

 お互い好きな人の布団の位置は確認済み。

 目を瞑ってでも辿り着ける自信ある。

 そっとふすまを開け女子部屋へ。


 ユキは桃代の布団にお邪魔する。

 入って弄ろうとした瞬間、抱き疲れて死ぬほどビックリする。


「あ~、焦ったぁ…起きちょったき。」


「へへへ。予想はしちょったきね。」


 そしていつもの如く浴衣の中に手を入れ乳首を探り当てる。

 身体がピクッと跳ねる。

 必死に声が出るのを堪えている。


「こっちは?まだ痛い?」


「どぉやか?」


 指を入れてみる。


「くっ…」


「痛い?」


「そーでもないけど…」


 ズッポシ入れたところでいきなり灯りが点く。


「こら!そこ!」


 菜桜だ。

 同時に布団が捲られる。

 桃代は浴衣がはだけ乳首が見えてしまっている。

 ユキはパンツの中に手を突っ込んでいる


「お前らはもぉ!」


 完全に呆れていた。


 と、千春がとんでもないことに気付く。


「あれ?涼は…。」


 いない。


 アイツら…。


 捜索が始まった。

 部屋の周辺を探すものの、どこにも見当たらない。

 しばらく探すがどうにも見つからないので諦めて部屋に戻る。




 海たちは捜査網を回避し混浴にいた。

 風呂は24時間いつでも使用可だ。

 今は深夜。

 誰もいない。

 いつ、だれが来てもいいように、脱衣所の戸が見える位置にいる。

 ちゃんとタオルは手の届く範囲。

 いつでもただの入浴客を装える。


「海…お前…エロにかける情熱スゲーね。」


 涼が笑う。


「うん。だって見たいんやもん。」


「正直やな。」


「当たり前やん。」


 今、涼はバスタオルを巻いて風呂の縁の岩に腰かけている。

 海は横に座りそのバスタオルを取っ払おうとしている最中だ。


 パラッとはだけ、色白で形のいい胸があらわになる。

 涼の顔がほのかに染まる。


「スケベ。」


「うん。」


 海が揉む。


「ん…」


 ちょっとだけ声が出る。


 キス。


 乳首を軽くつまむと、


「くっ…」


 顔をしかめ、快感に耐える。その表情がなんとも可愛らしい。

 揉みながら舌を這わす。


「ん…んあ…」


 耐えきれず声が漏れる。

 そのまま舌を這わせつつ、下へ…

 準備OKになったそれがヒクヒクしている。

 最も敏感な突起を唇で挟み、舌で転がす。


「あっ…」


 堪えることができなかった。

 ピクン!と身体が跳ね、白い汁がどんどん溢れ出してくる。


「入れてみてもいい?」


「いーけど…中で出すなよ?」


「わかった。出そうになったら抜く。痛かったらゆってね。」


「ん。」


 硬くなったそれをあてがい、ゆっくり挿入する。


「いっ…」


 苦しげな顔をしているが、思ったよりもすんなりと入った。


 処女じゃなくなった瞬間。


 涙を浮かべていた。


「ごめん、痛かった?」


「いや…そうじゃない…柄にもなくちょっと感動した。」


 あまりの嬉しさ。

 その表情の可愛さに思わず強く抱きしめた。


 桃代みたいに出血はしなかったし、大して痛くもなかった。

 海はぎこちなく腰を振る。

 そしてすぐに果てる。

 

 最高に幸せだ!


 いつか結婚できたらいいな。

 お互いにそう思った。



 あえて二人、満足げな顔をして手をつないで部屋に戻る。


「海?お前ら、どこおったん?」


 菜桜が不思議そうに尋ねると、


「風呂!」


 得意げに海が答える。


「風呂?また入り行っちょったん?」


「うん。それもある。」


「それもあるっち…あ~!こいつら!」


「どこまでか!」


「ん?全部。」


「はぁ?マジで?」


「マジですとも!」


 得意げな海。


「どいつもこいつも…ここは風呂入るところぞ。ラブホやねぇんぞ!」


 菜桜が呆れている。


「なん?海くん、したん?」


 先程、酷い目に遭った桃代が興味津々で聞いてくる。


「したよ。桃代ちゃんたちが羨ましかったきね。負けんごとしてきた。」


「マジで?痛かった?」


 涼に聞く。


「いや、そげでもなかった。最初っからまあまあ気持ちよかったぞ。そしてかなり感動した。ウチ、ちょっと泣いたもん。」


 涼が誇らしげに言う。


「はぁ~!意味わからんし!ウチ、でったん痛かったんに!ちゆーかでったん恥ずかしかったし!もぉ~、何なん?」


「お前は特別たい!そげな星の下に生まれてきちょーって。」


 菜桜が言う。


「あ~あ、涼ちゃんたち、いーなぁ。」


 ふて腐れる桃代。


 ひとしきり大騒ぎした後、時計を見るともう三時。

 流石に起きていられなくなってきたので、今度こそ本当に眠ることにした。




 旅行は週末を利用したものだったので一泊のみ。

 翌朝、朝食をとりチェックアウト。

 春休みのいい思い出となった。




 これからどんどん暖かくなってゆく。

 魚の活性もあがる。


 さぁ!本格的なシーズンの始まりだ!

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